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2018年の半導体専業ファウンドリ市場はTSMCと中国が牽引

2019.01.10
2019年1月8日、IC Insightsのレポート:

China Market Drives Essentially All Pure-Play Foundry Growth in 2018

2018年の中国市場における半導体専業ファウンドリの売上は前年比41%増の107億ドルと急成長した。これにより地域別シェアで中国は北米に次ぐ2位となった。

中国市場の売上の半分以上はTSMCによるもので、TSMCの2018年の中国向け売上は前年比61%増の60億ドル。中国における暗号通貨事業の急増が売上の増加をもたらした。TSMCの全売上に対する中国のシェアは2018年に18%まで上昇。2016年時点では9%だった。

IC Insights

ルネサスの32ビットMCU「RX65Nシリーズ」がAmazon FreeRTOS認定を取得

2019.01.09
2019年1月8日、ルネサスエレクトロニクスは、同社の32ビットMCU「RX65Nシリーズ」がAmazon FreeRTOS用AWSデバイス認定を取得したことを発表した。

プレスリリース

AWSのデバイス認定を取得した事により、「RX65Nシリーズ」を搭載したIoT機器をAWSのクラウドサービス上で容易に活用できるようになる。
ルネサスは、「RX65Nシリーズ」の開発環境として「Renesas Starter Kit+ for RX65N-2MB」を提供しており、同キットを利用することでRX65N上でAmazon FreeRTOSを実行し、認定を受けたサンプルソフトウェアの編集やデバッグ作業が可能となる。

ルネサスはコネクテッドカー向けのクラウドサービス開発においてもAWSと連携している。

ルネサス エレクトロニクス株式会社

Samsungが車載向けプロセッサ「Exynos AUTO V9」を発表、AudiがIVIシステムに採用

2019.01.08
2019年1月3日、Samsungは車載向けの新型プロセッサ「Exynos AUTO V9」を発表した。

プレスリリース

「Exynos Auto V9」は、複数のディスプレイを用いた高度な車載IVIシステム用に設計されたプロセッサで、ARM Cortex-A76 x8、ARM Mali G76 x3、HiFi Audio DSP、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)、ASIL-B対応のセーフティアイランド・コアなどで構成されており、Samsungの8nmプロセス技術を用いて製造される。Audiは同プロセッサを次世代車載インフォテインメント(IVI)システムに採用することを決めた。

Exynos-AutoV9_main.jpg

「Exynos Auto V9」は最大6台のディスプレイ、12台のカメラ接続をサポート。最大動作周波数は2.1GHz、搭載されるNPUはデジタル・コンシェルジュ・サービス用の顔認識、音声認識、ジェスチャー認識などに利用される。また、「Exynos Auto V9」はLPDDR4およびLPDDR5 DRAMをサポートしている。

Samsung 

業界最高性能をうたうHuaweiのArmベースサーバー向け7nm CPU「Kunpeng 920」

2019.01.08
2019年1月7日、Huaweiはサーバー向けのCPU「Kunpeng 920」を発表した。

プレスリリース

「Kunpeng 920」は7nmプロセスで製造されるサーバー向けCPUで、Armベースのサーバー向けCPUとして業界最高性能をうたう。
「Kunpeng 920」にはHuawei独自のArmベースカスタムCPUコアが64個搭載されており、動作周波数は2.6GHz。8つのDDR4チャネル、2つの100Gイーサネット・ポート、PCIe Gen4およびCCIXインタフェースなどをサポートしており計640Gbpsのバンド幅を提供する。「Kunpeng 920」は分岐予測アルゴリズムの最適化、OPユニットの増加、メモリ・サブシステムのアーキテクチャ改善などにより演算性能を高めており、「SPECint」のベンチマークスコアは業界最高レベルを25%上回るという。また消費電力は競合製品より30%程度少ないとされている。

Huaweiは「Kunpeng 920」を搭載したサーバーマシン「TaiShan」も発表しており、同サーバーマシンを自社のクラウドサービスに活用していくという。

Huawei

2018年11月の世界半導体市場は前年比9.8%増の413.7億ドル、最高記録の連続更新ストップ

2019.01.07
2018年12月31日、米SIA(Semiconductor Industry Association)は、2018年11月の世界半導体売上(3ヶ月移動平均)を発表した。

プレスリリース

SIAの報告によると、2018年11月の世界半導体売上は前年同月比12.7%増、前月比1%減の413.7億ドルだった。2018年6月から10月までは5ヶ月連続で単月売上の最高記録を更新していたが記録の更新がストップした。とは言え単月売上が前年実績を上回るのはこれで27ヶ月連続で、2018年の売上合計額は4700億ドル超の過去最高となる見通し。なお、昨年11月に発表されたWSTS秋季予測によると2019年は2.6%の成長と予測されている。

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2018年11月の世界半導体市場を地域別の売上で見ると、前年比2ケタ成長を続けていた北米の成長率が8.8%にダウン。トップの中国も20%台だった対前年比成長率が17.4%に落ちた。地域別では全ての地域が前年比プラス成長を記録しているが、アジアその他の地域以外は軒並み成長率が鈍化している。

日本市場の売上は前年比5.6%増、前月とほぼ同等の33.9億ドル。売上を円ベースで換算すると前年比約5.9%増の約3843億円となる。

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SIA

産総研と東京大学が共同で「AIチップ設計拠点」を設置、中小ベンチャー向けに設計環境を提供

2018.12.28
2018年12月27日、産総研のAI chip Design Laboratory(以下、産総研AIDL)と東京大学 大規模集積システム設計教育研究センター(以下、VDEC)は、AIチップ開発の加速を目的とした「AIチップ設計拠点」を東京大学本郷キャンパス内に設置したことを発表した。

プレスリリース

産総研AIDLと東大VDECが作った「AIチップ設計拠点」は、経産省およびNEDOの助成事業として実現されたもので、AIチップ開発に必要なEDAツール、エミュレーターなどを整備。設計フローやリファレンスデザインなども含めて中小・ベンチャー企業に環境を提供する。また「AIチップ設計拠点」では、蓄積される設計資産やノウハウも提供すると同時にAIチップ設計者の人材育成も行うという。

「AIチップ設計拠点」は、下記の3通りの形態で構築した設計環境を提供する計画で、高位合成ツールから論理合成、配置配線、物理検証など一連のEDAツール環境と合わせてCadenceのエミュレーター「Palladium Z1」も利用できる。

 ・ライセンスサーバー
 ・プライベートクラウド
 ・地域サテライト拠点内のブース

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※画像は産総研発表資料のデータ

「AIチップ設計拠点」の予約ウェブサイト(URL: http://www.ai-chip-design-lab.org)は平成31年3月頃のオープン予定。4月以降に利用可能となる。

国立研究開発法人 産業技術総合研究所

EUVを導入するTSMC 7N Plusプロセスの最初の顧客はHuawei

2018.12.27
2018年12月26日、Digitimesの記事:

Huawei to be first to adopt TSMC EUV process, says report
中国メディアによるとHuaweiはTSMCの2番目に大きなクライアントとなり、EUVを導入するTSMC 7N Plusプロセスを採用する最初の顧客となる見通し。TSMCは2019年第1四半期にN7 Plusを2020年にN5プロセスを量産に移行する予定。Huaweiの半導体子会社HiSiliconが同プロセスを採用してチップを製造する。

Digitimes

11月の北米製半導体製造装置の販売額は前年比5.3%減の19億4390万ドル

2018.12.21
2018年12月20日、SEMIは2018年11月の北米製装置(輸出を含む)の販売高速報値を発表した

プレスリリース
11月の北米製半導体製造装置の販売額は前年比約5.3%減、前月比約4.2%減の19億4390万ドルだった。売上の減少は米国政府による中国向けの輸出規制の影響があると思われる。販売額は6ヶ月連続で減少しており11月の実績は今年最低となる。

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SEMI

11月の日本製半導体製造装置の販売額は前年比33.4%増の2004億6720万円で好調維持

2018.12.21
2018年12月19日、日本半導体製造装置協会は2018年11月の半導体製造装置速報値を発表した。

2018年11月度販売高(SEAJ速報値)
発表によると2018年11月の日本製装置(輸出を含む)の販売高は、前月比2.3%増、前年同月比33.4%増の2004億6720万円だった。
2019年は設備投資が減ると予測されているが11月は年初から続く好調を維持した。

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日本半導体製造装置協会

中国の自動車メーカーBYDがXilinxのADAS向けZynqを量産採用

2018.12.21
2018年12月18日、Xilinxは中国の自動車メーカーBYDによる採用事例を発表した。

関連ブログ
Xilinxのブログ記事によると中国BYDはフロントカメラを用いたADAS向けにXilinxのZynq SoCを量産採用。中国の自動車メーカーによるADAS向けZynqの採用は今回のBYDが初。BYDによると同社はZynqを採用することでADAS機能の全体的なコストを60%以上削減したとのこと。

今回BYDが採用したZynqの品種は不明だが、XilinxはISO26262 ASIL-C準拠のオートモーティブ グレードの「Zynq-7000 SoC」を今年1月から出荷している。Xilinxによると同社デバイスの自動車向け出荷数は1億6千万台以上、うち約5,500万個がADAS向けに使用されている。

Xilinx

CMOSイメージセンサーのブルックマンテクノロジが4.6億円を調達、2021年上場を目指す

2018.12.20
2018年12月18日、日本経済新聞の記事:

静大発ブルックマン、第三者割当増資で4.6億円 凸版など引受先 
静岡大学発の半導体ベンチャー、ブルックマンテクノロジが第三者割当増資で4億6000万円を調達した。投資したのは凸版印刷や緑屋電気など。調達した資金は8K放送向けカメラのイメージセンサー開発などに充てられる計画。ブルックマンは同分野で先行しており、既に量産出荷しているCMOSセンサーはフルハイビジョンの16倍の3300万画素で1秒に120コマの撮影が可能。19年度には東京五輪に向けスポーツ撮影に適した毎秒240コマを撮影できるCMOSセンサーのサンプル出荷を開始する。また、ブルックマンは今年から対象物までの距離を瞬時に測定する「ToFイメージセンサー」市場に本格的に参入している。

ブルックマンは2006年2月設立。今回の資金調達を最後に21年3月期決算を基準に東証マザーズなどへの上場を目指す。

株式会社ブルックマンテクノロジ

Wave ComputingがMIPSのオープンソース化を発表、命令セットアーキテクチャを完全無償で提供

2018.12.18
2018年12月17日、AIチップを手掛けるシリコンバレーのベンチャーWave Computingは、MIPSのオープンソース化を発表した。

プレスリリース
発表によるとWave Computingは、今年6月のMIPS事業の買収で取得した32ビットおよび64ビットのMIPS命令セットアーキテクチャをオープンソース化。「MIPS Open program」を通じて同プログラムの参加者に対し、MIPS命令セットアーキテクチャの最新バージョンのアクセス権を完全無償(ライセンス料およびロイヤリティ料なし)で提供する。

Wave Computingは、MIPSのオープンソース化に伴い新しく「MIPS Open Initiative」 を立ち上げ、業界OEMやパートナー、大学など学術界を巻き込む形でMIPS互換ソリューションの互換性保証などを行い、MIPSベース・ソリューションの普及を促す計画。オープンソースの命令セットアーキテクチャとしては、RISC-Vが昨年から今年にかけてブームを巻き起こしているが、Wave Computingは、既に85億個以上を数える商用チップ化の実績や多数の特許で保護されたRISCアーキテクチャである点をMIPSの強みとして強調している。

なお、新しく公開されるMIPSアーキテクチャ、「MIPS Open program」への参加方法、「MIPS Open Initiative」の詳細については2019年第一四半期に発表される予定。

Wave Computing

PALTEKがAI開発で東工大中原研究室のFPGA向けディープラーニング開発環境「GUINNESS」を活用

2018.12.14
2018年12月13日、半導体商社のPALTEKは、顧客向けのAI開発サービスにおけるFPGA向けディープラーニング開発環境「GUINNESS」の活用を発表した。

プレスリリース

「GUINNESS(GUI based Neural NEtwork SyntheSizer)」は、東京工業大学中原啓貴准教授(工学院 情報通信系)が開発したFPGA向けのディープラーニング開発環境で、ディープラーニングの学習から推論用ハードウェアのFPGA実装までをサポートする業界唯一無二のユニークなツール環境。GUIベースの単一のツール環境で2値化CNNの学習からC/C++コード生成、そしてFPGA実装とRTLを書かずにAI推論システムを構築することが可能で、学習からハード化に至る一連の作業を大幅に効率化できる。

PALTEKはXilinxの代理店としてFPGAのデザインサービスにも力を入れており、昨今ニーズが高まるFPGAを用いたエッジAIの開発において「GUINNESS」の活用を決めた。なお、AI開発プロジェクトにおける「GUINNESS」の利用には別途東京工業大学との契約が必要になるという。

GUINNESS(Github)
東京工業大学中原研究室 
株式会社PALTEK 

デンソーの子会社NSITEXEが新領域プロセッサー「DFP」を搭載したSoCを開発

2018.12.14
018年12月13日、自動車向けの半導体IPを手掛けるNSITEXEは、同社のIPであるDFP(Data Flow Processor)を搭載したSoCの開発を発表した。

プレスリリース

発表によるとNSITEXEは、同社が「新領域プロセッサー」とうたう高性能プロセッサー「DFP」を搭載したSoCのテストチップとボードを開発。年明けに東京ビッグサイトで開催される「第11回オートモーティブワールドにて初披露する。

「DFP」は、NSITEXEが米AIチップベンチャーのThinCI社と共同で開発したIPで、今回開発したSoCにはDFPの他にArm Cortex-R52やMIPS I6500といったCPU、LPDDR4/PCIeなどのインタフェースが搭載されている。SoCの構成についてその他詳細は不明だが、NSITEXEの親会社デンソーが以前ライセンス契約していたNetSpeed社のインターコネクトが利用されている可能性が高い。(※NetSpeed社は今年9月にIntelに買収された)「DFP」は自動運転をターゲットに開発したものと見られているが、NSITEXEは今回開発したDFP搭載SoCの性能を様々なアプリケーションにおいて実証するとしており、クルマに限らず様々な分野への展開を考えているようだ。

株式会社エヌエスアイテクス

高性能FPGAのEFINIXがエッジAI向けの新製品「T20/T200」のサンプルを1月のCESで披露

2018.12.13
2018年12月12日、高性能FPGAを手掛けるベンチャーEFINIXはエッジAI向けの新製品を発表した。

プレスリリース

EFINIXが発表した新製品「Trion T20」は、LE数約2万個の小型FPGAで、MPM(Mask Programmable Memory)と呼ぶオプションのFPGAコンフィギュレーション用オンチップメモリを備えるデバイスとしては同社製品ラインナップの中で最大。合わせて発表された「Trion T200」はLE数約20万個の同社製品の中では最も大きなFPGAで、低消費電力のエッジAIアプリケーションをターゲットにINT8精度でCNNで1TOPS、BNNで5TOPSのパフォーマンスを提供する。

EFINIXはTシリーズの高性能FPGAを計10種類展開しており既に顧客もいる。同社の高性能FPGAは既存のFPGAよりも面積効率4倍、性能2倍をうたっており、それを実現するプログラマブル・アーキテクチャ「Quantum」は、ロジック・セルまたはルーティング・スイッチとして利用できる「XLR Cell」をベースとしている。

なおEFINIXはXilinxから出資を受けている。

EFINIX

Habana Labsの推論用AIプロセッサー搭載PCIeカードがPCI-SIGの認証を獲得

2018.12.13
2018年12月12日、AIプロセッサーを手掛けるHabana Labsは同社製品がPCI-SIGの認証を獲得したことを発表した。

プレスリリース

発表によるとPCI-SIGのコンプライアンステストに合格したのは、Habana Labsの推論用AIプロセッサー「HL-1000」を搭載したPCIeカード「Goya」で、8 Giga-transfers per second (GT/s)で動作するPCI Express 3.0 x16インテグレータ・リストに追加された。

Habana Labsによると推論用AIプロセッサー「HL-1000」にはSynopsysのPCI Express 4.0向けのDesignWare IPが実装されており、PCIe 4.0インタフェースを備えたIBM製サーバーとの接続テストで「Goya」がPCIe 4.0速度(16GT/s)で動作することを確認しているとの事。

「Goya」は既に量産され顧客に提供中で、ResNet-50ベンチマークでレイテンシ1.3msec、スループット15,012 images/s、電力効率150 images/s/wを達成しているという。

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Habana Labsはイスラエルと米国に拠点を置く2016年設立のベンチャーで、2013年にAppleに買収されたPrime Sense社のメンバーがファウンダーの中心となっている。同社は2019年に学習用のAIプロセッサーも市販する計画。

Habana Labs

今年の半導体製造装置市場は前年比9.7%増の620億ドル、来年リセットの後2020年に再び上昇

2018.12.13
2018年12月12日、SEMIは今年の世界半導体製造装置市場の見通しを発表した。

プレスリリース

発表によると今年の世界半導体製造装置市場は、前年比9.7%増の620.09億ドルで過去最高を更新する見通し。来年は今年の実績を下回り600億ドルを割り込むと予測されている。この予測は今年7月に発表された予測「2019年度は前年比7.7%の成長」と大きく異なる。大きな成長が見込まれていたシェア2位の中国市場がむしろ落ち込むと見られているのがその要因だ。しかし2020には韓国、中国共に大きく成長し、700億ドルの大台を突破すると予測されている。

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SEMI 

PFNが独自開発のディープラーニング・プロセッサー「MN-Core」を発表

2018.12.12
2018年12月12日、マシン・ラーニング、ディープラーニングの分野での急成長が注目されている日本のベンチャーPreferred Networksは、独自開発したディープラーニング・プロセッサー「MN-Core」を発表した。

プレスリリース

発表によると「MN-Core」はディープラーニングの学習フェーズに特化したプロセッサーで、学習の中心となる行列の積和演算に特化し、ワンチップにMAB(Matrix Arithmetic Block)と呼ぶ行列演算器ブロックを計2,048個搭載。条件分岐のない完全SIMD動作が可能なシンプルなアーキテクチャによりディープラーニングの高速化を実現する。

「MN-Core」のピーク性能は半精度(FP16)で524TFLOPSと市販の先端GPUを大きく上回り、電力性能については半精度(FP16)で1 TFLOPS/Wを実現できる見込み。この数値は世界最高レベルだという。


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PFNは「MN-Core」を1つ搭載する「MN-Core Board」と呼ぶPCIeボードと、同ボードを4枚搭載可能な「MN-Core Server」と呼ぶラックを用意。ボードにもラックにも「MN-Core」の性能を引き出す冷却機能が備えられており、「MN-Core Server」1台でおよそ2PFLOPS(FP16)の性能を見込んでいる。

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PFNは2020年春の稼働を目標に「MN-Core Server」を1000台以上用いた大規模クラスター「MN-3」を構築する計画で、最終的に計算速度を2EFLOPSまで拡大することを目指しているとの事。PFNは独自開発したディープラーニング・フレームワーク「Chainer」と「MN-Core」の両輪でディープラーニングとそれによるビジネスのアクセラレーションを目指す。

株式会社Preferred Networks

Synopsys売上報告、2018会計年度の売上は過去最高の31億ドル超え、営業利益は昨年の3倍以上

2018.12.10
2018年12月5日、Synopsysは、2018会計年度第4四半期(18年8-10月)の四半期決算を報告した。

プレスリリース

発表によると、Synopsysの2018会計年度Q4の売上は、前年同時期比約14.1%増、前Q1比2%増の7億9510万ドルで同社の四半期売上記録を更新した。四半期売上記録の更新はこれで4四半期連続となる。営業利益は前年実績を大幅に上回る2億5430万ドルを計上した。(※GAAP基準による会計結果)

Synopsysの2018会計年度(17年11月-18年10月)の合計売上は前年比17.5%増の31億2100万ドルで過去最高を更新。営業利益は前年の3倍以上となる4億3250万ドルを計上した。

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Synopsysは2019会計年度も成長が継続すると予測している。
Synopsys株価推移
日本シノプシス合同会社

2018年10月の世界半導体市場は前年比12.7%増の418.1億ドル、5ヶ月連続で最高記録更新

2018.12.05
2018年12月3日、米SIA(Semiconductor Industry Association)は、2018年10月の世界半導体売上(3ヶ月移動平均)を発表した。

プレスリリース

SIAの報告によると、2018年10月の世界半導体売上は前年同月比12.7%増、前月比1%増の418.1億ドルでまたしても単月売上の最高記録を更新した。単月売上が前年実績を上回るのはこれで26ヶ月連続となる。先ほど発表されたWSTS秋季予測によると、今年の世界の半導体市場の成長率は15.9%となる見通し。2019年は2.6%の成長と予測されている。

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2018年10月の世界半導体市場を地域別の売上で見ると、ここ最近の傾向と変わらず中国と北米の2トップが2ケタ成長を記録。その他の地域もこれに続き全地域で前年比プラス成長を記録した。

日本市場の売上は前年比5.5%増、前月と同等の33.7億ドル。売上を円ベースで換算すると前年比約5.1%増の約3800億円となる。

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※SIA

Amazonのサーバー向けカスタム・プロセッサ「Graviton」はArm 16nm Cosmosベースでコストを45%削減

2018.12.01
2018年11月27日、Armはサーバー向けプロセッサにおけるAmazonとの協業について発表した。

プレスリリース

発表によるとAWSが同社のグラウドビジネス向けに開発したArmベースのサーバーチップ「Graviton Processor」は、Armが先頃発表した新ブランド「Neoverse」のCosmos PlatformをベースにAmazonが2015年に買収した「Annapurna Labs社」のチームが開発した。「Neoverse」はサーバーなどをターゲットとするCPUプラットフォームで、CosmosはCortex-A72/Cortex-A75をベースとした16nmのプラットフォームである。

AWSは「Graviton Processor」ベースのサーバーを既に運用しており、AWSユーザー向けに同サーバーを利用できるEC2 A1インスタンスを新たに用意した。A1インスタンスを利用することでAWSの利用コストは最大45%削減できるということで、それは「Graviton Processor」のチップコストの低さと消費電力の少なさを意味している。

Armによると「Graviton Processor」を含め、今年のArmベースのサーバーの出荷数は100万台を超える見通しだという。

Arm

AIチップのWave Computingが資金調達Eラウンドで8600万ドルを調達、累計調達額2億ドル超に

2018.11.30
2018年11月29日、AIチップを手掛けるシリコンバレーのベンチャーWave Computingは、資金調達Eラウンドで8600万ドルを調達したことを発表した。

プレスリリース
今回のラウンドをリードしたのはロスアンゼルスの投資家Oakmont Corporation。Waveの累計調達額はこれで2億ドルを超えた。
今年6月にMIPSの買収で業界を驚かせたWave Computingは、開発しているAIシステムの早期顧客向けテストに成功。最近米国、スリランカ、フィリピンで200人以上を採用したとしている。またWaveはGlobal Semiconductor Alliance (GSA)の「2018 "Most Respected Private Semiconductor Company" award」に選出されている。

Wave Computing

WSTS 2018年秋季半導体市場予測、2018年世界半導体市場は15.9%増の4779億ドルに到達

2018.11.30
2018年11月27日、WSTS(世界半導体市場統計)の2018年秋季半導体市場予測が発表された。

プレスリリース
発表によると今年の世界半導体市場は前年比15.9%増の4779億ドルに到達する見通し。メモリの売上増の影響が大きく今年は前年比33%増となる予測。アナログも前年比10%以上の成長が見込まれている。地域別では北米市場が前年比19.6%増と最も伸びると見られている。

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WSTSの市場予測は今年に入り今回が3回目。6月に発表された春季予測では前年比12.4%増の4634億ドル、8月に発表された予測では前年比15.7%増の4771億ドルとなっていた。ちなみに2019年は前年比2.6%増の4900億ドルと予測されている。

WSTS

AWSがArmベースサーバーを利用できるEC2 A1インスタンスを発表

2018.11.28
2018年11月27日、Techcrunchの記事:

AWSがEC2向けARMベースのサーバを発表

AWSはラスベガスで開催されているre:Inventカンファレンスで、EC2クラウドコンピューティングサービス向けの、Armベースのサーバーを立ち上げたことを発表した。
同ArmベースサーバーはArmコアをカスタムした「AWS Graviton」という名前のプロセッサを使用しており、多数の小さなインスタンにまたがって分散可能なワークロードのスケールアウトに焦点を当てて、性能とコストが最適化されている。Armベースサーバーを利用できる「A1インスタンス」はすでに米国とヨーロッパの多くのAWSリージョンで利用可能。オンデマンド、リザーブドインスタンス、スポットインスタンス、専用インスタンス、専用ホストといった、AWSのすべての標準インスタンス価格モデルをサポートしている。
現段階では、OSはAmazon Linux 2、RHEL、Ubuntuしか利用することができないが、AWSは将来的には追加のOSサポートを約束している。

Techcrunch

CadenceがSamsung 7nmプロセスでGDDR6 IPをテープアウト

2018.11.22
2018年11月21日、CadenceはSamsungの7LPPプロセスにおけるGDDR6 IPのテープアウトを発表した。

プレスリリース

Cadenceが発表したGDDR6 IPは設計用のPHYおよびコントローラIPと検証IPの3種類で、Samsungとの協業により開発したことから、まずはSamsung 7nm LowPowerプロセスでのテープアウトという形となった。検証IP(メモリモデル)に関してはすでに顧客への提供が開始されている。

Cadenceによると、GDDR6 IPによりピンあたりの帯域幅を最大16Gb/sec、または、SoCとGDDR6メモリー間のピーク帯域幅を500Gb超/secとすることが可能に。これにより、プリント基板面積とパッケージピン数を削減できる。また、Samsungとの協業によって開発された同IPは、SoCとメモリーチップ間の相互接続性リスクの低減というメリットも得られる。Cadenceの提供するGDDR6リファレンス・デザインを利用すれば、Cadenceのテストチップの結果をユーザーの製品で再現することが可能だという。

※日本ケイデンス・デザイン・システムズ社

10月の北米製半導体製造装置の販売額は前年比2%増の20億5910万ドル

2018.11.22
2018年11月21日、SEMIは2018年10月の北米製装置(輸出を含む)の販売高速報値を発表した

プレスリリース

10月の北米製半導体製造装置の販売額は前年比2%増の20億5910万ドル。前月比では約0.9%のマイナスだった。販売額は5ヶ月連続で減少しており10月の実績は今年最低となる。

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SEMI

10月の日本製半導体製造装置の販売額は前年比34.7%増の2001億1300万円

2018.11.22
018年11月19日、日本半導体製造装置協会は2018年10月の半導体製造装置速報値を発表した。

2018年10月度販売高(SEAJ速報値)

発表によると2018年10月の日本製装置(輸出を含む)の販売高は、前月比6.5%減、前年同月比29.5%増の2001億1300万円だった。例年9月は売上増を記録し翌10月は一服となる傾向にある。

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日本半導体製造装置協会

AMDの新型ミッドレンジGPU「Polaris 30」はGFとSamsungで製造

2018.11.21
2018年11月月15日、Fudzillaの記事:

AMD Polaris 30 GPU made at both GlobalFoundries and Samsung

Polaris 30と呼ばれるAMDの新型GPU「Radeon RX 590」は、GlobalFoundriesとSamsungの両ファウンドリで製造されている。

12LPとして知られているGlobalFoundriesの12nm FinFETプロセスとSamsungの11LPPは、は、両社共同の14nm FinFETプロセスに由来しているため、に非常によく似ている。AMDは将来的にSamsungの7nmプロセスでチップを製造する可能性がある。

Fudzilla

Qualcommの次期フラッグシップSoC Snapdragon 8150がAntutuスコアで最高記録をマーク

2018.11.16
2018年11月月15日、Fudzillaの記事:

Snapdragon 8150 scores over 360k on Antutu

ネット上に流出した情報によると、Qualcommの次期フラッグシップSoC Snapdragon 8150のAntutuスコアは362,292点で過去最高だった。スコアはSnapdragon 850に比べてSnapdragon 8150の方がCPU性能が約20%向上している事を示しており、すべての最適化が実装されると最終スコアはさらに高くなる可能性がある。

Snapdragon 8150は1+3+4コア構成で、Cortex-A76x1(2.84GHz), Cortex-A76x3(2.4GHz), Cortex-A55x4(1.78GHz)とされており、TSMCの7nmプロセスで製造され2019年前半に出荷の予定。同チップを初めて搭載するのはMeizuのスマホと噂されている。

Fudzilla

NECがFPGA向けに「ExpEther」IPコアの提供を開始、Ethernet経由のPCIe利用が可能に

2018.11.16
2018年11月月13日、NECは同社が開発したPCI Expressの拡張技術「ExpEther」のIPコアをリリースした事を発表した。

プレスリリース

「ExpEther」は、EthernetとPCIExpressを結びつける技術として2006年にNECが開発もの。これまで「ExpEther」技術を搭載した製品は、大学、企業、公共・社会インフラシステムなどを中心に採用されているが、今回発表したIPコアはFA機器での利用をターゲットとしたもので、FPGA向けのIPコアとして提供される。同IPコアを実装したPCI ExpressインタフェースのFA機器は、OS、ドライバ、ハードウェアを一切変更する事なくEthernetを利用した通信が可能となる。

提供されるIPコアはPCI Express Gen1-3, 1,10,40G Ethernetに対応しており、IntelおよびXilinxのFPGAを対象とする。NECは産業機器メーカーを中心に、今後3年間で30社に販売することを見込んでいる。

日本電気株式会社

Imagination Technologiesが新GPUと合わせて車載SoC向けパッケージ製品「PowerVR Automotive」を発表

2018.11.14
2018年11月月13日、Imagination Technologiesは新GPU「PowerVR Series8XT-A」およびパッケージ製品「PowerVR Automotive」を発表した。

プレスリリース

Imagination Technologiesによると新製品「PowerVR Automotive」は、ISO 26262やIEC 61508などの機能安全規格への適合をターゲットに用意した車載SoC開発向けのパッケージ製品で、顧客の開発するSoCが迅速に機能安全性を達成できるよう、ハードウェアIPと合わせて、ソフトウェア、ツール、サポート・ドキュメント、安全性のトレーサビリティ情報、長期サポートなどをパッケージ化して顧客に提供する。

Imagination Technologiesは今回の「PowerVR Automotive」の発表と合わせて車載SoC向けの新たなGPU「PowerVR Series8XT-A」を発表。「Series8XT-A」は、クラス最高の電力、性能、面積を提供し、GPUの障害検出と回復のためのHW/SW新機能を用意するほか、ECCやLBISTなどの新機能も提供する。

Imagination Technologiesはオートモーティブ市場における長年の実績を自負しており、車載アプリケーションプロセッサにおける同社GPUの市場シェアは50%以上、デンソー、ルネサス、Socionext、TIなど大手サプライヤ向けに、10年以上にわたり実績のある長期サポート(LTS)パッケージを提供しているとしている。今回発表した「PowerVR Automotive」は、自動運転へと移行する自動車業界の流れを受けたビジネス機会の拡大を狙うもので、Imagination Technologiesは既存の顧客だけでなく自動運転への新規参入者もターゲットとしている。

Imagination Technologies

MRAMを手掛けるSpin Memoryが5200万ドルを資金調達、Arm, Applied Materialsが出資をリード

2018.11.13
2018年11月月11日、不揮発性の磁気抵抗メモリMRAMを手がける米Spin Memoryは、資金調達Bラウンドの成功を発表した。

プレスリリース
発表によるとSpin Memoryは資金調達Bラウンドで計5200万ドルを調達。同ラウンドはApplied Materialsのベンチャーキャピタル部門とArmがリードした。Spin Memoryは資金調達と合わせてApplied Materials、Armとのパートナーシップについても発表。MRAMソリューションのビジネスに向けて両社との取り組みを進める。Spin MemoryはこれまでSpin Transfer Technologiesという社名で活動していたが、MRAMビジネスの拡張に向けて社名を新たにリブランディングした。

Spin Memory

2018年半導体売上ランキング、Top15のうち9社が前年比2ケタ成長、首位SamsungはIntelとの差を広げる

2018.11.13
2018年11月月12日、IC Insightsの記事:

Nine Top-15 2018 Semi Suppliers Forecast to Post Double-Digit Gains 

IC Insightsの予測によると今年の半導体売上ランキング上位15社中9社が前年比2ケタ成長となる見通し。首位Samsungの売上は2位Intelよりも19%多くその差を広げる形に。対前年比の成長率が最も高かったのはSK Hynixで41%増、SK Hynixは2017年の4位から3位に浮上。成長率2位はNvidiaで前年比37%増と予測されている。順位の入れ替えはあるが、2017年から2018年にかけて上位15社の顔ぶれに変化はない。

IC Insights

AchronixとMicronがマシンラーニング向けに業界唯一のFPGA&GDDR6ジョイントソリューション

2018.11.13
2018年11月月12日、メモリ大手Micronは、SoC組み込み型FPGAを手掛けるAchronix社とのジョイントソリューションを発表した。

プレスリリース

発表によるとAchronixはSOC組込み型ではないTSMC 7nmプロセスを用いた新型のスタンドアロンFPGAを開発しており、同FPGAがMicronのGDDR6メモリをサポート。現時点でGDDR6をサポートするFPGAはAchronixのFPGAだけで、MicronとAchronixの両社は業界最大のメモリ帯域幅を提供する同ソリューションは、データセンターや自動運転などのマシンラーニング向けに最適であると主張している。

Achronixの次世代FPGAには最大8つのGDDR6メモリ・インタフェースが用意され、メモリ容量8Gbから128Gb、4Tb/s以上のメモリ帯域幅を提供可能。詳細は不明だがAchronixの次世代FPGAは機械学習ワークロードを処理するために最適化されているとの事。また同ソリューションはコスト面でも優れており、HBMなど同等のメモリを備えたFPGAの半分以下のコストで提供できるという事だ。

Micron Technology
Achronix 

ルネサスがISO 26262への準拠確認を容易に行える安全分析ツールを発売

2018.11.09
2018年11月8日、ルネサス エレクトロニクスは、自動車の機能安全規格「ISO 26262」への準拠確認を容易に行うための安全分析ツール「CAR(Customizable Analysis Report)ツール」の発売を発表した。

プレスリリース

発表によると「CARツール」はGUIベースのソフトウェアで、ルネサス製のマイコンやSoCを適用したシステムの安全分析(ISO 26262への適合を定量的に分析)を行い、その結果をレポート出力することが可能。安全分析はユーザーのシステム設計情報とルネサス製デバイスのライブラリを読み込んで行われ、以下3つの評価値を自動的に算出し、ISO 26262で定義される基準値に対して達成可能かどうかをひと目で確認することができる。なお、分析にあたっては、システムのユースケースに応じた各種安全関連パラメータのカスタマイズが可能となっている。

・SPFM (Single Point Fault Metric: シングルポイント故障対処の有効性評価値)
・LFM (Latent Fault Metric: レイテント故障対処の有効性評価値)
・PMHF (Probabilistic Metric for Random Hardware Failure: 偶発的なハードウェア故障による安全目標侵害確率)および、各安全目標侵害要因の発生確率

スクリーンショット 2018-11-09 7.21.13.png

ルネサスは「CARツール」を顧客に提供することにより、セーフティクリティカルなシステムにおけるルネサス製品の適用促進を狙う。

ルネサス エレクトロニクス株式会社

2018年Q3の世界シリコン・ウエハ出荷量は前年比8.6%増で過去最高更新

2018.11.08
2018年11月7日、SEMIは2018年Q3(7-9月)の世界シリコン・ウエハ出荷量を発表した。

プレスリリース

発表によると2018年Q3の世界シリコン・ウエハ出荷量は、前年比8.6%増、前Q2比3%増の計32億5500万平方インチでQ2に続いてまた四半期記録を更新した。

スクリーンショット 2018-11-08 7.55.27.png
SEMI

Synopsysが大型新製品2品種をリリース,「Design Compiler NXT」と「Fusion Compiler」

2018.11.08
2018年11月4日、Synopssysは、「Design Compiler NXT」と「Fusion Compiler」2つの新製品を発表した。

プレスリリース(Design Compiler NXT)
プレスリリース(Fusion Compiler)
「Design Compiler NXT」は、5nm以降のプロセス・ノードを見据えて開発された「Design Compiler Graphical」の後継にあたる論理合成ツールで、ユーザーインタフェースやスクリプトなど「Design Compiler Graphical」と互換性をもつ。新たな最適化エンジンの導入により、実行スピードは2倍に向上。Synopsysはその合成結果の品質が5%向上したとしている。また、「Design Compiler NXT」にはクラウド対応の新たな分散合成処理技術が組み込まれ、更なる処理速度の向上が可能。配置配線ツール「IC Compiler II」とライブラリ、最先端配置テクノロジ、RC 抽出、ネット・トポロジー密度モデリングといったテクノロジを共有しており、最先端プロセス・ノードでも両ツール間の設計結果で緊密な相関性と結果品質を実現できる。

「Fusion Compiler」は、論理合成/配置配線(RTL-to-GDSII)を一括処理する新型製品で、単一の操作環境(シングル・コックピット)でRTL からGDSII にいたるインプリメンテーション・フローを実行可能。Synopsysは、この論理合成と配置配線を融合した「Fusion Compiler」をもちいることで、設計結果品質を20%、開発スピード を2倍に向上できるとする。

Synopsysは今年の春に自社の保有する各種技術を融合させる「Fusion Technology」を打ち出し、「Fusion」をキーワードに様々なソリューションを展開。共通の設計エンジンで論理合成と配置配線を融合する「Design Fusion」は「Fusion Technology」の目玉の一つであったが、それを単体のツール 環境として具現化したものが今回発表の「Fusion Compiler」となる。

Synopsysによると、「Fusion Compiler」はすでに先行ユーザー各社が使用しておりテープアウト実績もある。発表には東芝、Samsung、ソシオネクストらがコメントを寄せており、東芝は「Fusion Compiler」により、面積縮小(10%)、消費電力削減(リーク30%)を実現しつつ設計期間を半分に短縮する事が可能になった製品もあるとしている。

※日本シノプシス合同会社

Intelはモデム開発に年20億ドルを投じている

2018.11.06
2018年11月5日、Fudzillaの記事:

Intel spends $2 billion a year on modems

Intelはモデムの大顧客Appleを見据えてモデム開発に年約20億ドルを投じている。5Gに向けてその投資額は増える可能性がある。

現在AppleはQualcommは係争中でQualcommのモデムの使用を中止。iPhone XS/XRはIntel モデムだけを搭載する初のApple製品となった。

IntelはAppleとのビジネスで育てたモデム事業の拡大を狙っており、既に5G対応モデム「XMM 8060」をPC顧客向けに出荷する予定。

Fudzilla

RISC-VベースAIチップのEsperanto Technologiesが投資家から5800万ドルを調達

2018.11.06
2018年11月4日、AIチップを開発する米ベンチャーEsperanto Technologiesは、資金調達Bラウンドの成功を発表した。

プレスリリース

発表によるとEsperantoは資金調達第二ラウンドで投資家から5800万ドルを調達。同社の累計調達額は6300万ドルとなった。今回投資に参加した投資家については明らかにされていない。

Esperantoは、オープンソースの命令セットアーキテクチャ「RISC-V」をベースとしたプロセッサ・コア「ET-Maxion™」と「ET-Minion™」を開発し、これらコアを基にしたマシンラーニング/ディープラーニング向けチップを開発している。同社の社長兼CEOは元Transmeta社CEOのDave Ditzel氏で、プロセッサビジネスにおけるこれまでの経験と実績は業界で広く知られている。

今回調達した資金は、7nmプロセスを用いたAIチップの製品化に充てられる予定。公開されている情報から推測すると、まずはじめに数千個の「ET-Minion™」コアを搭載するエネルギー効率を重視したAIチップが製品化されるようだ。

Esperanto Technologies

SK Hynixが世界初となる96層の「4D NANDフラッシュ」を開発、年内量産開始

2018.11.06
2018年11月5日、中央日報の記事:

SKハイニックス、96層の4D NAND開発に成功

SK Hynixは世界初となる96層4D NAND型フラッシュメモリーの開発に成功した。 
3D NANDに主に適用されるCFT構造にPUC技術を結びつけ「4D NAND」とした。
PUC技術とは、データを保存するセル領域の下部にセルの作動を掌握する周辺部回路を配置する技術。

「4D NAND」のサイズは従来の72層512GB 3D NANDより30%以上小さい。ウェハーあたりのビット生産も1.5倍向上。同時に処理が可能なデータ量は業界最高水準の64KBと倍増。SK Hynixは「書き込みと読み出しの性能が従来の72層製品よりそれぞれ30%、25%向上した」している。 

96層のNANDフラッシュはSamsungと東芝が今年下半期から量産を開始。SK Hynixは年内に96層4D NANDの量産に入るとしている。

中央日報

Cadenceがニューラルネットワーク対応のオーディオ向けDSP「Tensilica HiFi 5 DSP」を発表

2018.11.02
2018年10月31日、CadenceはIPの新製品「Tensilica HiFi 5 DSP」を発表した。

プレスリリース

「Tensilica HiFi 5 DSP」は、オーディオ処理向けのDSP IPとして圧倒的な市場シェアを誇る「Tensilica HiFi DSP」シリーズの最新版で、オーディオ処理と合わせてエッジ・デバイスにおけるAIベースの音声認識処理をターゲットとしており、以下の画像の通りニューラルネットワーク用MACの追加など、演算リソースが大幅に増強された。これにより現行製品「HiFi 4 DSP」と比較してオーディオ処理で2倍、ニューラルネットワーク処理で4倍のパフォーマンス向上を実現している。

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「Tensilica HiFi 5 DSP」は、128ビットロードが最大2命令まで発行可能な5スロットVLIWアーキテクチャーで、コンフィグレーション・オプションによりプロセッサのカスタマイズが可能。ニューラルネットワーク向けの低精度のビット演算(8, 4, 2, 1bit)をサポートし、ニューラルネットワーク用のライブラリも用意する。同ライブラリは音声認識のニューラルネットワーク処理で一般的に使用される関数を「Tensilica HiFi 5 DSP」向けに最適化したもので、LSTM,GRU,CNNなどのネットワークをサポートし、TensorFlow Liteなど汎用的なマシンラーニング・フレームワークに用意に統合できる。

HiFi5-02.jpg

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「Tensilica HiFi 5 DSP」の先行顧客であるAmbiq Microは、低い動作周波数で消費電力を抑えつつも高い性能を発揮できることから、同社のIoT,ウェアラブルデバイス向け超低消費電力マイコンに「Tensilica HiFi 5 DSP」を移植したという。

日本ケイデンス・デザイン・システムズ社

Wave Computingが新たなAI対応MIPS CPUのロードマップを発表する

2018.11.01
2018年10月31日、MIPSを買収したWave Computingは、同社の新たな戦略としてAI対応のMIPSライセンスとエコシステムの提供を発表した。

プレスリリース
Wave Computingの新戦略の詳細は、今週開催される「Linley Fall Processor Conference」で発表される予定。Wave Computingはデータセンター向けのAIチップ「DPU」を開発しているが、同チップを含めたAIシステムのロードマップの更新と合わせてAI対応の新たなMIPSライセンスについて発表する。

Wave Computingによると、同社は独自のAIチップの開発と合わせてSoC向けのMIPS CPUコアの開発にもリソースを費やしており、AI対応CPUの他に車載向けの高度なロックステップ機能を用いたCPUなども開発。エッジAI向けのMIPSエコシステムの拡大にも力を注いでいるという。

Wave Computing

MicrosoftのAzureサーバーのコプロセッサは半分以上がXilinxのチップ

2018.11.01
2018年10月31日、Bloombergの記事:

Microsoft Picks Xilinx for Over Half of Azure Servers

XilinxはMicrosoftのAzureクラウド・ユニットの受注を獲得しており、既にAzureサーバーの半数以上でXilinxのチップがコプロセッサとして使われている。MicrosoftはIntelのFPGAをAzureサーバーのアクセラレーションに利用していたが、それがXilinxのチップに置き換わりつつある。Microsoftは引き続きIntelとの関係を継続するとしている。

Intelの2018年7-9月のプログラマブル・デバイスの売上は前年比6%増の4億9600万ドル。Xilinxの2018年7-9月売上は前年比19%増の7億4600万ドル。

Bloomberg

2018年9月の世界半導体市場は前年比13.8%増の409.1億ドルでまた記録更新

2018.10.30
2018年10月26日、米SIA(Semiconductor Industry Association)は、2018年9月の世界半導体売上(3ヶ月移動平均)を発表した。

プレスリリース

SIAの報告によると、2018年9月の世界半導体売上は前年同月比13.8%増、前月比2%増の409.1億ドルでまたしても単月売上の記録を更新した。単月売上が前年実績を上回るのはこれで25ヶ月連続、世界の半導体市場は丸2年活況を継続している。

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2018年9月の世界半導体市場を地域別の売上で見ると、8月同様中国と北米の2トップが高成長を記録。その他の地域もこれに続き全地域で前年比プラス成長を記録した。

日本市場の売上は前年比7.2%増、前月比0.6%減の33.7億ドル。売上を円ベースで換算すると前年比約8.5%増の約3772.6億円で前月比約0.2%増となる。

SIA201809-02.gif

SIA

Cadenceのシミュレータやフォーマル検証ツール等がArmベースサーバーで稼働

2018.10.29
2018年10月16日、Cadenceは「Cadence®Verification Suite」がArm®ベースのハイパフォーマンス・コンピューティング・サーバ環境に対応した事を発表した。

プレスリリース

発表によると今回Cadenceの検証ツールが対応したのは、Hewlett Packard Enterpriseのサーバー「Apollo 70 System」。同サーバーはコスト効率の高さを売りにしており、Armv8-AベースのサーバーSoC「Marvell® ThunderX2®」で構築されている。

ARMベースサーバ上で稼働する「Cadence Verification Suite」には、下記検証ツールが含まれている。

 ・論理シミュレータ「Xcelium Parallel Logic Simulation Platform」
 ・フォーマル検証ツール「JasperGold®」
 ・メトリック・ドリブン・サインオフ・プラットフォーム「vManager™」
 ・デバッグ・プラットフォーム「Indago™」
 ・各種検証IP

日本ケイデンス・デザイン・システムズ社

Synopsysがアナログ/カスタムツールを機能強化

2018.10.26
2018年10月23日、Synopsysは同社のアナログ/カスタム向けソリューションに関する3件の発表を行った。

FineSim SPICEのバージョンアップ
Custom Compilerのバージョンアップ
Custom Design Platformのバージョンアップ

■FineSim SPICE

発表によるとバージョンアップされた回路シミュレータ「FineSim® SPICE」は、回路シミュレーション速度が3倍高速化され、マルチCPU上でのシミュレーション速度も高速化された。また回路過渡現象や位相ノイズを高精度に解析するRF解析機能が追加された。
■Custom Compiler

発表によるとレイアウト・エディタ「Custom Compiler」は、販売が好調で新規採用数が1年間で2倍に増加。既にユーザー数は3,000名を超えているとの事。ビジュアル・アシスト設計自動化テクノロジなどによる「Custom Compiler」設計生産性の高さが業績アップに繋がっているようだ。

またバージョンアップされた「Custom Compiler」は、「StarRC」のRC抽出技術と連動したExtraction Fusionテクノロジにより、レイアウトが部分的に完成した段階からRCの抽出が可能に。また、「IC Validator」のサインオフ・フィジカル検証技術と連動したDRC Fusionテクノロジにより、レイアウト実行中に「IC Validator」からの情報を活用したDRCが可能になった。

■Custom Design Platform

カスタム/AMSデザインの統合開発環境「Custom Design Platform」は、その中枢機能を担う「Custom Compiler」、「FineSim® SPICE」のバージョンアップにより、AMS設計効率が向上した。

日本シノプシス合同会社

ルネサスがCoreMark/MHz値最大5.8の新型32ビットCPUコア「RXv3」を発表

2018.10.26
2018年10月25日、ルネサス エレクトロニクスは、3世代目の新型RX CPUコア「RXv3」を発表した。

プレスリリース

新しい「RXv3」コアは、既存の「RXv2」および「RXv1」コアと共通の命令セットを採用したバイナリ互換の32ビットCISCコアで、既存のRXファミリ開発環境で開発が可能。「RXv2」、「RXv1」ベースのアプリケーションを「RXv3」ベースのマイコンに移植できる。

性能面では機能強化された5段スーパースカラ・アーキテクチャにより、CoreMark/MHz値が最大5.8まで引き上げられたほか、オプション機能として用意されるレジスタ一括退避機能により割り込み応答性能の向上が可能に。また新たに倍精度浮動小数点ユニット(DP-FPU)が採用された。「RXv3」コアは電力効率も高められており、RXv3コアベースのマイコン新RX600シリーズは、CoreMark/mA値44.8を達成するとしている。

ルネサスによると、新型CPUコア「RXv3」は新たなRXマイコンに搭載して、2018年第4四半期末までにサンプル出荷を開始する予定。

ルネサス エレクトロニクス株式会社

超低消費電力エッジ推論チップのSyntiantが資金調達Bラウンドで2500万ドルを調達

2018.10.25
2018年10月24日、AIチップベンチャーの米Syntiantは資金調達Bラウンドで投資家から2500万ドルを調達した事を発表した。

プレスリリース

今回投資をリードしたのはMicrosoftのベンチャーファンドM12で、Amazon Alexa Fund、Applied Ventures、Intel Capital、Motorola Solutions Venture Capital、Robert Bosch Venture Capitalら大手企業系のVCが参加した。

Syntiantはバッテリー駆動のエッジ端末をターゲットとする超低消費電力の「neural decision processors (NDPs)」を開発するベンチャーで、独自の「analog neural network」技術とメモリ・セントリック・アーキテクチャにより、桁違いの低電力と優れたメモリ効率で大量の並列計算を実現。これによりエッジ端末におけるディープラーニング推論の常時実行を可能にするとしている。

Syntiant

9月の北米製半導体製造装置の販売額は前年比1.8%増の20億9190万ドル

2018.10.25
2018年10月24日、SEMIは2018年9月の北米製装置(輸出を含む)の販売高速報値を発表した

プレスリリース

9月の北米製半導体製造装置の販売額は前年比1.8%増の20億9190万ドル。前月比では約7%のマイナスだった。販売額は4ヶ月連続で減少しているが、SEMIのトップは今後の需要は回復する見込みだとコメントしている。

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SEMI

9月の日本製半導体製造装置の販売額は前年比34.7%増の2140億8900万円

2018.10.25
2018年10月18日、日本半導体製造装置協会は2018年9月の半導体製造装置速報値を発表した。

2018年9月度販売高(SEAJ速報値)

発表によると2018年9月の日本製装置(輸出を含む)の販売高は、前月比18%増、前年同月比34.7%増の2140億8900万円だった。6月以降徐々に売上減退傾向が見えていたが、9月は大幅な売上増となった。

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日本半導体製造装置協会