AlibabaがAIエージェント向け5nm RISC-V CPU「XuanTie C950」を発表

2026年3月24日、Alibaba傘下の研究機関DAMO Academyは、AIエージェントおよび推論処理を主なターゲットとする新型CPU「XuanTie C950」を発表した。

ロイターによる報道

報道によると、「XuanTie C950」は5nmプロセスで検証されたRISC-VベースのCPUで、Alibabaの半導体開発子会社T-HeadおよびDAMO Academyによって開発されたもの。AlibabaはXuanTieシリーズを高性能クラウドシステムとAgentic AI向けに位置付けているという。

報道ベースで明らかにされている「XuanTie C950」の仕様に関する主な情報は以下の通り。
・8命令デコード
・16段パイプライン
・1000命令超のアウトオブオーダー・ウィンドウ
・最大3.2GHzで動作
・SPECint2006のシングルコア性能は70超(主流クラウド・ワークロードへの対応を狙う水準)
・用途特化の最適化によって一部の主流製品比で30%超の性能向上が可能
・自社開発のAIアクセラレーション機構を統合し、Qwen3やDeepSeek V3のような数千億パラメータ級モデルをネイティブに支援

なお、「XuanTie C950」の製造に関しては、TSMC 5nm プロセスで製造される可能性が高いとされている。

Alibabaグループは2025年に、初のサーバー向けRISC-V CPU「XuanTie C930」を投入している。今回発表された「XuanTie C950」はその後継製品に当たり、AI推論用途を意識して大幅に強化された上位モデルと位置付けられる。CPU単体性能では、C930比で約50%の向上が実現されたとされる。Alibabaは今年1月に発表したAI学習/推論向けチップ「Zhenwu 810E」と「XuanTie C950」を組み合わせて運用することで、同社のAIサービスの計算基盤を強化することを狙っている。

今回の発表で注目されるのは、Alibabaの製品開発スピードである。「XuanTie C930」の投入から約1年で、約1.5倍の性能をうたう後継製品を打ち出したことに加え、並行してAIアクセラレータである「Zhenwu 810E」の開発も完了している。その背景には、RISC-V系CPUをIoTや組み込み用途から一歩進めて、より高性能なAI計算基盤へ引き上げようとするAlibabaの意図がうかがえる。

中国では国策として半導体自給率向上が進められており、米国の規制影響を受けにくい計算資源の確保やサプライチェーン強化の動きも加速している。その中でオープンでカスタマイズ性が高く、米国の規制の制約も相対的に受けにくいRISC-Vへの投資は、x86やArmへの依存度を下げるという意味においても今後さらに拡大していく可能性がある。

DAMO Academy