エッジAIチップのオランダAxelera AIが2.5億ドル超を追加調達
2026年2月24日、エッジAIチップを手がけるオランダの半導体スタートアップAxelera AIは、新たに2.5億ドル超の資金調達に成功したことを発表した。
発表によると同社の最新の資金調達ラウンドは、 Innovation Industriesが主導しBlackRockやSiteGround Capitalなどの著名な新規投資家、EU、ベルギーなどの政府系ファンドやSamsungなどの既存投資家も参加した。同社はシード資金も含めて過去3回の資金調達と助成金や政府系ローンなどで計2億ドル近くの資金を調達しており、今回の資金調達をを含めた累計調達額は4億5,000万ドルを超えた。
Axelera AIは、欧州のブロックチェーン技術開発大手Bitfury AI、IMEC、IBMチューリッヒ研究所、ETHチューリッヒ、Google、およびQualcommの研究者グループからなる18人のコアチームが2021年7月に設立。現在はオランダ本社の他にベルギー、スイス、イタリア、イギリスに研究開発オフィスを置き、世界17か国に200名以上の従業員を抱えている。
同社は独自のインメモリ・コンピューティング・テクノロジーとRISC-Vデータフロー・アーキテクチャを使用して構築したエッジAI向けの推論チップ「Metis」でビジネスを軌道に乗せ、防衛・社会インフラ、産業/FA、コンスーマ、農業、ロボット、セキュリティなど、フィジカルAI/エッジAI用途で顧客を増やし、資金調達の時点で顧客数500社を達成している。
第2世代の推論チップ「Europa」は629 TOPS(INT8)と「Metis」の3倍から5倍のパフォーマンス向上を達成しており、Axelera AIは同製品の展開拡大で更なる成長を目指している。今回調達した資金は「Europa」の製造拡大やソフトウェア基盤の強化、サポートやエコシステムの拡充などに充てられる計画だ。
推論チップ「Europa」の特長は以下の通り。
・RISC-Vベクトルコア:8つのAIコアに加え、16のRISC-Vベクトルコアを搭載し、高度な前処理・後処理をサポート
・高精度と柔軟性:INT4/8/16の精度をサポートし、生成AI(GenAI)や大規模言語モデル(LLM)の実行に最適化
・圧倒的な帯域幅:LPDDR5メモリ・インターフェース(200 GB/s)を採用し、45Wという極めて低い電力枠で動作

エッジAIに特化した独自の高効率チップ・アーキテクチャを展開するAxelera AIのアクセラレーターは、既存のCPU環境にプラグイン形式で追加可能という使いやすさがSoC型ソリューションとの大きな違いで、開発者は「Voyager SDK」を通じて、複雑なハードウェア設計の変更なしに最新のAI機能を導入できる。
エッジAIチップを開発する半導体スタートアップが数ある中で、独自のエッジAIエコシステムを育て存在感を高めているAxelera AI。欧州勢として頭ひとつ抜け出している同社は、BlackRockなど大手投資家の支持も獲得し、欧州を中心にAIインフラにおける主導権の確立を目指している。





