AndesのRISC-V CPUのエミュレーション環境をS2CとMachineWareが支援
2025年12月16日、 S2C、MachineWare、Andes Technologyの3社がRISC-Vベース・チップの協調エミュレーション・ソリューションを発表した。
発表によると今回3社が用意した協調エミュレーション環境は、Andesの提供する高性能RISC-V CPUコア「AX46MPV 」を用いたSoCの開発環境として用意されるもので、同CPUコアのISSモデルをサポートするMachineWareの仮想プラットフォーム「SIM-V」と、CPUの周辺サブシステムを実装するS2CのFPGAボード「Prodigy」を連携することで、ハードウェア/ソフトウェアの協調エミュレーション環境を実現。連携にあたってはS2Cのソフトウェア「Genesis Architect」が活用されているようだ。
AndesのRISC-V CPUコア「AX46MPV 」はArm Cortex-A55/A75クラスのプロセッサで、RISC-V Vector Extension (RVV 1.0) による強力な演算性能とAndes Custom Extension (ACE) による柔軟性により、別途DSPやNPUを載せることなく、メインCPUだけで高度なAI処理や信号処理を高速にこなすことが可能。AIアクセラレータ、5G/ネットワーク機器、ADASなどエッジ・デバイスをターゲットに、Armより安くかつ性能を追求したいというニーズを狙った製品で、Andesは最も売りたい「AX46MPV 」のためにS2C、MachineWareの協力を得て協調エミュレーション環境を構築した格好だ。
今回の発表では「AX46MPV 」にスポットが当てられているが、MachineWareの仮想プラットフォーム「SIM-V」は様々なAndesのRISC-V CPUモデルをサポートしているので、他のCPUコアでも同様の協調エミュレーションを実現可能と思われる。更に言えば、「SIM-V」がサポートするCPUモデルであればAndes以外のCPUでもS2Cの環境を活用した同様の協調エミュレーションを実現できてしまうだろう。




