VeriSiliconがGoogleのエッジAI向けオープンソースNPU「Coral NPU」の商用IPを提供
2025年11月13日、IPベンダのVeriSiliconは、Googleと共同で「Coral NPU」の商用IPをリリースすることを発表した。
「Coral NPU」は、Google ResearchとGoogle DeepMindが共同開発したRISC-V準拠のオープンソースのNPU IPで、ウェアラブル・デバイスやIoTなど超低消費電力で常時稼働するエッジ AI・アプリケーションをターゲットとするもの。
※関連ニュース:Google、ウェアラブル/IoTの常時稼働AI向け「Coral NPU」をオープンソースとして発表
発表によるとVeriSiliconは、現在Google Developersウェブサイトでオープンソースで公開されている「Coral NPU」の商用対応のエンタープライズ・グレードIPを用意。同社のカスタム・シリコン・サービスの製品として提供するという。
VeriSiliconは、AI/ARグラスやスマートホーム・アプリケーションをターゲットとした「Coral NPU」ベースの検証チップの開発に取り組んでいるということで、商用版「Coral NPU」の提供により、エッジにおけるLLMの導入を加速させるとしている。
Googleの「Coral NPU」は、誰でも自由に利用可能でエッジAIのオープンなエコシステムの発展に繋がる取り組みと言えるが、エンタープライズ・ユーザーにとっては、信頼性、サポート、量産、歩留まりなどを考慮すると容易に製品化に利用できない現実がある。
VeriSiliconのビジネスモデルは、RISC-VベースのプロセッサIPビジネスと同様、一定の品質基準を満たす商用版IPと合わせて技術サポート、保証、カスタマイズなどのサービスを提供するもの。VeriSiliconの顧客はIPライセンス料やロイヤリティを支払うことで、安心して「Coral NPU」を用いた製品を開発できるようになる。
「Coral NPU」はGoogleが推進する半導体設計のオープンソース化の新たな一手と見て取れるが、それを活用したVeriSiliconの今回の試みは、オープンソースをベースとしたハードウェアIPビジネスの新たな形として注目していきたい。



