GlobalFoundriesがプロセッサIPのMIPS社の買収を発表
2025年7月8日、米半導体ファウンドリのGlobalFoundriesは、プロセッサIPを手がけるMIPS社の買収を発表した。
発表によると現時点では両社は買収に関する契約を締結した段階。買収は、必要な規制当局の承認の取得を含む慣例的な完了条件が満たされることを条件としており、2025年後半に完了する予定としている。
買収後、MIPSはGlobalFoundries内で独立した事業として運営を継続する予定ということで、GlobalFoundriesは、RISC-Vをベースにした独自のプロセッサなどMIPS製品を直接ファウンドリ顧客に提供できるようになる。
MIPS社が買収されるのは今回で4度目。1984年のMIPS Computer Systems起業後、1992年にSilicon Graphicsに買収され社名がMIPS Technologiesに。その後、Silicon Graphicsから分離・独立し、NASDAQに上場し組み込み市場で成功を収め、2013年にImagination Technologiesに買収される。Imagination TechnologiesはAppleとのビジネス縮小で経営難に陥り、2017年にMIPS事業を中国系投資ファンド Tallwood Venture Capitalへ売却。そして今回のGlobalFoundriesの買収となる。
MIPS社はRISC CPUの先駆者として知られ、MIPSアーキテクチャは2000年代に隆盛を極めARMと並ぶ主要IPアーキテクチャとして認知されていたが、2017年の経営変更を機にMIPSアーキテクチャを放棄し、RISC-Vを採用する新戦略へシフト。ここ数年は、クルマなどエッジAI向けのRISC-Vベースの汎用CPU IPやAI推論アクセラレーションIPなどの提供に注力していた。
MIPS視点で見ると、GlobalFoundriesという大きなバックを得ることで新たなビジネス機会と安定した経営基盤を手に入れることが可能に。またGlobalFoundriesのプロセス技術とプロセッサIPが密接に繋がることで、製品の性能面、品質面、製造面でのメリットを得られるかもしれない。