AIチップを手がける米Tenstorrentが6億9,300万ドルを追加調達、企業評価額は26億ドルに

2024年12月3日、RISC-VベースのAIチップを手がけるファブレス半導体ベンダ米Tenstorrentは、資金調達Dラウンドで6億9,300万ドルを調達したことを発表した。

プレスリリース

発表によると今回の資金調達ラウンドは、Samsung SecuritiesとAFW Partnersの両社が主導。LG Electronics、HYUNDAI、Amazon創業者のJeff Bezos氏などが投資に参加した。
資金調達前のTenstorrentの評価額は20億ドルで、今回の資金調達により同社の評価額は26億ドルを超えた。ちなみに同社は前回Cラウンドで約2億ドルを調達。これまでの累計調達額は10億ドル以上となっている。

Tenstorrentはもともとカナダで創業された企業だが最近本拠地を米国に移した。株式市場への上場や投資家の意向など、財務上の戦略で米国企業となったようだ。

Tenstorrentは調達した資金をオープンソースのAIソフトウェア・スタックの構築、エンジニアの増強、グローバルな開発拠点の拡大、AIトレーニング・サーバーの構築などに充てる計画。次世代チップ「Blackhole」は2025年上旬から量産が開始される予定で、TSMCだけでなく同社の株主でもあるSamsungも製造に関わるようだ。

AIチップ関連では、推論チップを手がける米ベンチャーGroqが2024年8月に6億4,000万ドルの調達を発表しているが、TenstorrentはAI推論だけではなくAIトレーニングの市場も狙っている。自社製品「Blackhole」のパフォーマンスと価格もさることながら、RISC-Vベースのプロセッサ・コアのライセンス・ビジネスやオープンソースのソフトウェア・スタックの提供を競合との差別化に掲げており、自動車、ロボット分野など独自のAIチップを構築して独自のAIサービスの提供を目指す企業ニーズも取り込む戦略を取っている。

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