ARMとTSMCがTSMC 16nm FinFETプロセスでARM Cortex-A57をテープアウト

2013年4月2日、ARMとTSMCは、両社の協業によりTSMC 16nm FinFETプロセスで「ARM Cortex-A57」をテープアウトした事を発表した。


ARMの「Cortex-A57」プロセッサは、昨年10月に発表されたARMの次世代ハイエンド・プロセッサで、ARMv8アーキテクチャをベースに開発された既存のハイエンド・プロセッサ「Cortex-A15」の後継品。ARMコアとして初めて64ビット命令にも対応し、20nm以下のプロセスでの製造をターゲットとしている。

今回、ARMとTSMCは共同でTSMCの16nm FinFETプロセス・テクノロジーを使用して初となる「Cortex-A57」プロセッサをテープアウト。両社はTSMCの16nm FinFETプロセスに対する「Cortex-A57」プロセッサの最適化に取り組み、ARM ArtisanフィジカルIP、TSMCのメモリ・マクロ、TSMCの設計エコシステム「Open Innovation Platform」の提供するEDAツールを利用し、6ヶ月という短期間でRTLからのテープアウトを完了した。

尚、今回の「Cortex-A57」プロセッサの実装に使用した具体的なEDAツール名は明らかにされていないが、2011年10月にARMとTSMCが初めてTSMC20nmプロセスで「Cortex-A15」をテープアウトした際は、Cadenceのアナログ/カスタム環境「Virtuoso」やデジタル・インプリメント環境「Encounter」が利用されていた。(関連ニュースTSMCは、昨年10月に20nmプロセスのリファレンス・フローを発表したばかりで、16nm FinFETプロセスに関しては今年の秋以降にリファレンス・フローが発表される可能性が高い。

「Cortex-A57」プロセッサは、今のところ2013年末から2014年にかけて市場に投入される予定で、製品の普及に向け物理IPの最適化を目指すARMと、自社プロセスでの受注拡大を目指すTSMCの狙いが両社の協業体制を強固なものにしている。

TSMC

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2013.04.03 )