EDSF2012で見たJasper Design Automationの新ツール
2012年11月14-16日、パシフィコ横浜で開催されたEDSFair2012にて、株式会社シンコムのブースを覗いてみた。
同社は今年からJasper Design Automationの日本代理店として、Jasperの手掛ける各種フォーマル検証ツールを取り扱っている。
ブースでは先ごろ発表された新製品、「Structural Property Synthesis App」と「Behavioral Property Synthesis App」が展示されていた。※関連ニュース
※画像はシンコムの出展社セミナー資料の抜粋
聞いたところによると、これまでの統合的なフォーマル検証ツールの提供から、「JasperGold Apps」という検証項目毎のアプリケーション群の提供に変更した事で、各検証ニーズに対応するソリューションが明確になり、ユーザーの関心も更に高まったとの事。中でも新製品の2種類のプロパティ自動生成ツールは来場者の注目を集めていた様子だった。
フォーマル検証を利用する上で大きな壁となるのが、プロパティ(アサーション)の記述であり、ここ数年、これを自動化しようとする取り組みが各社によって進められている。Jasper以外にもAtrenta(NextOp)やMentor Graphicsがアプローチは違うが同種のソリューションを提供しており、業界としては「如何に容易に扱えるか」がフォーマル検証ツールの導入の鍵となっている。
Jasperのフォーマル検証ツールはARMで正式採用されている事で有名で、ARMでは、ARM AMBA4 AXI Coherency Extensions(ACE)プロトコルのproposal specificationの検証や、キャッシュコヒーレンシーとDeadlock問題の検証などに利用されている。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2012.11.20
)