CarbonがSoCのパフォーマンス解析を迅速に行う仮想環境キットを「CPAK」を発表
2012年5月16日および24日、ESLソリューションを手掛ける米Carbon Design Systemsは、SoCのパフォーマンス解析のための仮想環境キット「Carbon Performance Analysis Kit (CPAK) 」を発表した。
発表によると「CPAK」は、SoCやSoCを構成するIPのパフォーマンス解析のための仮想環境キットで、Carbonの提供するESL環境「Carbon SoC Designer」上で利用する事が可能。短時間で仮想環境を立ち上げ、ソフトウェアを用いたハードウェアのパフォーマンス検証が可能な点が特徴と言える。
最初に発表された「ARM Cortex-Aシリーズ」向けの「CPAK」としては、ARM Cortex-A9、A15、A7向けの他に、Cortex-A15とCortex-A7で実現する「big.LITTLE」技術のサブシステム向けのキットが用意される。各キットにはプロセッサ・コア・モデルで構成される仮想ハードウェア環境と解析/デバッグ用のソフトがパッケージされている。
続けて発表されたCadence DDR3メモリ・コントローラ向けの「CPAK」は、ARM Cortex-A9 MPCoreモデルとCadenceの設計IP DDR3メモリ・コントローラ・モデル、EEMBCのベンチマーク・ソフトがパッケージされたキットで、「Databahn」の名で知られる旧Denali社のDDR3メモリ・コントローラ設計IPの性能評価に利用できる。
※EEMBC:Embedded Microprocessor Benchmark Consortium
いずれの「CPAK」もユーザーが独自にSystemCモデルを追加したり、CarbonのWebポータル「IP-Exchange」上で提供しているESLモデルや「Carbon Model Studio」でRTLから作成したESLモデルを追加するなどカスタマイズして利用する事も出来るという。
ARMとの強力なパートナーシップを持つCarbonの顧客は、大半がARMベースのSoC開発を行っており、中でもCadenceのDDR3メモリ・コントローラ設計IPを使う顧客が多いという事で、これらニーズに応えるすぐに使える仮想環境として「CPAK」が提供される事になったようだ。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2012.05.29
)