検証技術のCMEが新たな一手-CPU搭載の特小無線FPGA評価ボードを発売

2011年9月26日、LSI機能検証ソリューションを手掛けるCMエンジニアリングは、「ワイヤレスマコン開発キット」の発売開始を発表した。
CMエンジニアリングの「ワイヤレスマイコン開発キット」は、UHF帯の無線通信機能を有したCPU搭載のFPGA評価ボードで、近距離特小無線機能をマイコンに搭載したいというニーズを狙ったもの。
ボード上にはARM8051を搭載するActelのミックスド・シグナルFPGA「Fusion」、オリジナルの通信プロトコルIP、RFIC、各種ペリフェラルが装備されており、小電力のニーズも意識して単三電池でも駆動可能。購入後すぐに駆動して利用することができる。
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※画像はCMエンジニアリングのFPGAボード
ユースケースとしては、無線通信のテストなどの他に、ARM上にアプリケーションを搭載して既存製品の無線化を実現したり、FPGAの空き領域利用した通信機能の強化やアプリケーションのハード化等、近距離特小無線機能を用いた無線システムの様々な評価利用が想定されており、CMエンジニアリングでは評価されたシステムの商用化(小型モジュール化、IC化)もサポートしているという。
CMエンジニアリングは、検証サービスやIPベース設計サービスを通じて確立した独自の「検証技術」の他に、「無線通信技術」や「アナログ設計技術」も強みとしている。同社の河井社長によると、設計面でのソリューションでは自社の強みを活かしたIP製品の提供にも注力しているという事で、今回製品化した「ワイヤレスマイコン開発キット」の他に、既に同社ではOFDM、DSSS、MACといったカスタマイズ可能な無線IPコアを提供中。これからは「いかにIPを使いこなすかが設計の鍵」という河井社長の持論に則り、自社製IPの開発に限らず顧客の保有するIPの最適化などにも取り組み、最終的には自前のIPベース設計技術を駆使したオリジナル・チップの開発も視野に入れているという。
尚、CMエンジニアリングでは、今後920MHz帯域対応版や自社RFIC搭載版の「ワイヤレスマイコン開発キット」も開発予定との事。提供中の検証キットと同じく同社の評価ボードの開発には「サクっと使える」というコンセプトが根底にあるようだ。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.09.27 )