CadenceとAtrentaが高位合成ツールの出力チェックでコラボレーション

2011年10月24日、業界標準ツール「SpyGlass」をはじめとしたRTL解析ソリューションを手掛ける米Atrenta社は、Cadenceの「System Realization Alliance」に加盟した事を発表した。
発表によるとAtrentaは「System Realization Alliance」に加盟し、最初の活動としてCadenceと共同で高位合成ツール「C-to-Silicon Compiler」の生成するRTLのチェックに取り組む。具体的には、AtrentaのRTL解析ツール「SpyGlass」で使用する「高位合成用ルール」を作り、「C-to-Silicon Compiler」の生成するRTLの構文的な正しさ、パワー、テスタビリティ、クロック同期などのパラメーターをチェックする。
Atrentaは、Cadenceと共同で作成する「高位合成用ルール」は、「C-to-Silicon Compiler」の合成チェックの一部として機能し、そのサブセットはエンドユーザーも利用できるだろうとしている。
Cadenceは、これまで「C-to-Silicon Compiler」の合成チェックに関してCalypto社とのパートナーシップに力を入れていたが、CalyptoがMentorから高位合成ツール事業を獲得した為、高位合成ツールにおける競合企業となってしまった。そのような背景が今回のAtrentaとCadenceのコラボレーションを後押ししたと想像できる。
また、AtrentaとCadenceはいずれもARMおよびTSMCのフローでクオリファイを受けている事から、共同ソリューションを構築することで、ARMやTSMC顧客に対する他社ソリューションとの差別化を図る狙いがあるのかもしれない。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.10.25 )