Cadenceがクロックツリー合成の米Azuroを買収

2011年7月13日、Cadenceは、クロックツリー合成ツールを手掛ける米Azuro社を買収した事を発表した。
CadenceによるとAzuroの買収手続きは既に7月11日に完了済み。その取引条件などの詳細は明らかにされていないが、その主要メンバーはCadenceに移籍するとされている。
Azuroは低消費電力化のためのクロックツリー合成ツール「PowerCentric」でビジネスを確立し、2003年の創業以降、毎年確実に顧客の数を増やし続け、2009年にはクロックツリー合成とフィジカルフィジカル最適化をコンカレントに処理する新製品「Rubix」をリリースし、更なる市場展開を進めていた。
クロックツリー合成ツール「PowerCentric」は、一般的に別々に行われるクロック・ゲーティング挿入とクロックバッファ挿入を統合した形で処理し低消費電力化を実現。ダイナミック・パワーの削減の他にクロック・スキューの改善による遅延低減という効果も得られる。また、グラフ・ベースのアプローチによりマルチモードのタイミング制約からバランスの良いクロックツリーを合成が可能な点も大きな特徴と言える。「Rubix」は、リアルなクロックに基づいてタイミングを最適化することが可能で、チップの動作速度の向上に大きな役割を果たす。
Cadenceは今回の買収により低消費電力、高速化、少面積を実現するAzuro独自のクロックツリー合成技術を獲得し、自社のデジタル・インプリメンテーション・フローに統合していく。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.07.14 )