米NimbicがクラウドベースのEDAソリューションを発表-3D電磁界解析と3D寄生抽出

2011年5月31日、これまでPhysware社としてEDAソリューションを提供してきた米Nimbic社は、クラウドベースの新たなEDAソリューションを発表した。
Nimbicの提供するEDAツールは、PCBボードおよびICパッケージ向けの3次元電磁解析ツール「nWave」と3次元寄生抽出ツール「nAPEX」の2製品で、それぞれ前身のPhyswareにて「PhysWAVE」、「PhysAPEX」と呼んでいたもの。同社はこれらツールを構築したクラウド環境「nCloud」上で利用できる新たなEDAソリューションを打ち出す。
「nCloud」は現状ベータ版という扱いだが、同社のサービスを利用すればユーザーはNimbicの提供するクラウド環境上で、ツールのライセンスを購入することなくオンデマンドで「nWave」と「nAPEX」を利用する事が可能。ユーザーは使用量に応じたツール利用料を支払うだけで良く、ハードウェアとしてツールの稼動環境を整える必要は無い。
当然の事ながら、サービス上のセキュリティ対策には力を入れており、独自のセキュリティ環境を構築しているという事であるが、そのグラウド環境の基盤はAmazonをはじめとする大手のクラウドインフラを活用していると推測される。
グラウド型のサービスは、従来のライセンス販売型のビジネスモデルと違い、使いたい時に使いたいだけ利用できるという形でツールのコスト面でのメリットが非常に大きく、また、ツールを動かすハードウェア環境のコストも低減できるため、今後EDAツールの世界でも広がっていくと見られている。同社の発表によると既に先行ユーザーとして、TI、Toshiba、Panasonic、Renesas、Vitesse、Tabulaが同サービスを利用しているという。
尚、同社は資金調達第2ラウンドに成功。新たなクラウドEDAソリューションの展開に向けて、690万ドルの資金を手にしたを事発表している。プレスリリース文
※同社のクラウドEDAソリューションは、第48回DACにて同社ブースで展示予定。
 同社のCEO Raul Camposano氏は下記セッションでチェアマンとして登壇する予定。
 「Cloud Computing and EDA Forecast: Sunny Skies or Storm Clouds Ahead?」

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.06.04 )