Mentor、ハーネス設計から電気プラットフォーム設計へ「CHS」を拡大
2011年6月3日、Mentor Graphicsは、電気プラットフォーム設計向けの新製品群「Capital」を発表した。
Mentorの「Capital」は、既存のワイヤ・ハーネス設計ツール「CHS」をベースに、ワイヤ・ハーネス設計以外の分野もカバーする製品群の総称で、3種類の新製品と既存の「CHS」製品群によって構成されるもの。
これまでMentorは、競合が手を出していないワイヤ・ハーネス設計の分野で大きな実績を残しているが、それをベースにソリューションを拡大し、自動車の電装システム分野におけるより広範囲な生産性の向上を目指すのが「Capital」である。
具体的には、ワイヤ・ハーネス設計に加え、電気プラットフォームとしての製品定義に対応する「Capital Level Manager」、顧客の量産カスタマイズに対応する「Capital ModularXC」、エンドユーザーの保守・整備に対応する「Capital Publisher」の3製品が今回新たにリリースされた。
※画像はメンター・グラフィックス提供のデータ
「Capital Level Manager」は、車両の電気プラットフォームの開発におけるマーケティング部門とエンジニアリング部門の業務をリンクし、大量な部品の組み合わせ構成やコスト構成などの最適化を実現するもので、製品の企画やアーキテクチャの決定に利用する。
「Capital ModularXC」は、ワイヤ・ハーネスの製造における顧客の量産カスタマイズをサポートするもので、ハーネス構成のバリエーションを抑え、ハーネスの機能と製造を考慮した高品質低製造コストなハーネス製造を実現する。
Capital Publisher」は、車両のメンテナンス・整備に利用するもので、紙媒体に代わる「スマートな電子マニュアル」を自動的に作成することが可能。VIN固有のドキュメントを作成でき、トラブル・シューティングなど顧客サポートを効率化できる。
今回Mentorがリリースした3製品は、従来、個別のポイント・ツールあるいは自動車メーカーやサプライヤの内製ツールとして存在していたものを置き換えるツールで、単に置き換えるだけでなく、Mentorはそれら製品を「Capital」という一つの製品群として繋いだ。各工程におけいて個別に存在していたツールが繋がることで、電装システム分野における電気プラットフォームの開発・製造・保守に一貫性がもたらされ、個々の自動化技術と合わせてその生産性と品質が大きく向上されるという事だ。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.06.04
)