TSMCとMentorが「Questa Ultra」をベースとした機能検証環境の構築でコラボ

2011年5月4日、Mentor Graphicsは、機能検証に関するTSMCとのコラボレーションについて発表した。
発表によるとTSMCとMentorは共同でMentorの「Questa Ultra」をベースとした最新の機能検証環境を確立。その最たるモチベーションは、チップの機能検証における「カバレッジの収束」で、TSMCは自社の顧客が直面している検証課題の克服に向けてMentorと新たな機能検証環境の構築に取り組んだ。
「Questa Ultra」とは聞き慣れない製品名だが、Mentorによると同社の様々な機能検証ソリューションを包括的に統合した環境のようで、テストベンチを賢く自動生成するインテリジェント・テストベンチ自動生成、ロー・パワー検証、検証マネジメント、CDC検証、フォーマル検証といった各種機能が「Questa」のシミュレーション・プラットフォームにインテグレーションされており、TLMからRTL、そしてチップ・インプリメンテーションまでの機能検証プロセスをカバーしているとの事。 
実際にこの「Questa Ultra」をベースに構築した機能検証環境は、TSMCとMentor共通の顧客であるAppliedMicro社によって評価済で、AppliedMicro社の担当者は「ローパワー・デザインにおけるカバレッジ測定基準を全体的に管理する事が可能となった。」、「インテリジェント・テストベンチ自動生成機能はカバレッジ収束時間を100倍以上短縮できる。」とコメントしている。
尚、Mentorによると「Questa Ultra」は既に製品として利用可能な状態にあるという。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.05.09 )