ARMの仮想デバッグI/F「VSTREAM」がEVEのエミュレーション環境でも利用可能に

2011年5月18日、ハードウェアベースの検証ソリューションを手掛ける仏EVEは、同社のエミュレーション環境「ZeBu」がARMの提供する仮想デバッグ・インタフェース「VSTREAM」をサポートした事を発表した。
ARMの提供する「VSTREAM」は、ARMの「RealView」などソフトウェア・デバッガとエミュレーター上のARMコアを接続するためのインタフェースで、これを用いることでエミュレーター上のARMコアをデバッガを通じて制御したり、状態を参照することができる。
「VSTREAM」によるデバッガとエミュレーターとの接続は、SCE-MI2.0を利用してトランザクション・ベースで接続できるため非常に高速な通信が可能。また、複数のデバッガを接続することも可能で、ARMのマルチコアの開発にも利用できる。
今回、EVEのエミュレーション環境「ZeBu」でARMの「VSTREAM」がサポートされた事で、「ZeBu」を用いたARMプロセッサ・ベースの組み込みソフトウェア開発が容易になり、ユーザーのデバッグ効率は大幅に高められる。
また、EVEは今回の発表と合わせて新たなトランザクタIP4製品のリリースを発表。具体的には、PCI-Express 3.0、マルチポートGigabit Ethernet、USB、そしてHDMIの4種類のトランザクタが新たに用意された。これらトランザクタIPを利用する事で、ユーザーは非常に容易に「ZeBu」によるトランザクション・ベース検証環境を立ち上げる事が可能となる。
「ZeBu」による「VSTREAM」のサポートならびに新たなトランザクタIPは来る第48回DACにて披露される予定。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.05.19 )