STARCがミックスシグナル設計フローでPulsicの自動配線ツール「UniRoute」を認証

2011年3月16日、STARC(半導体理工学研究センター)と英Pulsicは、STARCAD-AMSにおいて、PulsicのカスタムLSI向け自動配線ツール「UniRoute」が認証されたことを発表した。
STARCAD-AMSは、STARCの提唱する次世代Mixed Signal設計フローであり、デジタル回路の設計フローと比較して効率化が進んでいなかったアナログおよびミックスド・シグナル設計フローの構築と最適化を目指し、2006年から開発が進められている。
発表によると、Pulsicの自動配線ツール「UniRoute」は、STARCの設けた評価基準である、アナログ制約遵守、DRC、LVS エラーフリー、配線品質、容易なマニュアル修正作業、短時間高速処理を複数の市販の配線ツールの中で唯一クリア。従来手法では約20時間を要するフィルター回路の配線工程を約1.5 時間で完了することができたという。
Pulsicは長年カスタムICレイアウトの自動化に取り組んでおり、自動配線ツール「UniRoute」は、オンラインDRC、ネットドリブン手法によってDRC/LVSエラーフリーの自動配線を実現している。「UniRoute」を利用することで従来設計者による手作業で行わていた配線作業の大半を自動化することが可能で、劇的なTAT短縮効果をもたらす。自動化された配線がどの程度の品質であるか気になるところだが、その品質(形状)はマニュアル作業の結果に近く、当然ながら専用エディタを用いて必要な修正に迅速に対処できるという。
尚、Pulsicの「UniRoute」は、Cadenceのアナログ/カスタムIC設計環境「Virtuoso IC 6.1.4(OA)」にプラグインして使用することが可能。同ツールはOEM版も含めメモリー・LCD ドライバー・アナログ・高速配線用途で採用実績が豊富で、PulsicによるとカスタムICの配線分野では世界で一番使用されているという。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.03.17 )