【EDSF2011】Forteの高位合成ツールCynthesizerは間もなくバージョンアップ

パシフィコ横浜で開催されたElectronic Design and Solution Fair 2011のレポート。
Forteのブースでは、同社の旗艦製品「Cynthesizer Ultra」をメインに展示していた。
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ご存知、Forteの高位合成はSystemCフルチップ合成をコンセプトとした製品で、最上位製品の「Cynthesizer Ultra」は昨年10月に正式リリースされたばかり。
間もなくQ1(1?3月)の間に新バージョン4.1がリリースされる予定と聞いたが、その詳細に関しては乞うご期待という事で、具体的なエンハンス内容は確認出来なかった。どうやら大掛かりなバージョンアップというよりは、細かな機能強化とユーザビリティの向上が進められているようだ。
ForteのSystemC高位合成は、後発の大手EDAベンダのツールや異なるアプローチの高位合成が台頭する中で老舗のツールとして健在。Cynthesizerを使い込んでいる既存のユーザーは手堅くライセンスをリニューアル(更新)している様子で、2010年にはAXELL、メガチップスといった国内のファブレス・ベンダが新規採用した実績がある。
最新バージョンでは「CDC機能」と呼ぶ、FIFOモデルの自動生成機能(同機能により、リーダー、ライター別々のクロックで動くインタフェースを合成できる)をサポートするなど、既存ユーザーの要望を小まめにツールに反映しており、エンハンスの手を緩めていない。
SystemCをベースに、SystemCのTLMモデルからピン・レベルへ落とし、SystemCの世界でチップ全体を合成するというアプローチにおいては、老舗ながら未だ高位合成ツールの最前線をひた走る存在と言えるだろう。
先日、同じく高位合成ツールを手掛けるAutoESL社がXilinxに買収されたばかりだが、高位合成一本で勝負する独立系EDAベンダとして引き続き活躍に期待したい。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.02.02 )