Magmaが先端デザイン向けの高速インプリメント環境を世に送り出す
2010年12月3日、Magmaは同社のフラッグ・シップ製品であるインプリメント・ツール「Talus」の最新版と、その上位パッケージ「Talus Vortex FX」を相次いで発表した。
Magmaによると、バージョンアップされた最新の「Talus 1.2プラットフォーム」は、先端プロセス向けデザインに必要とされるクロストーク回避、オンチップ・バリエーション(AOCV)、マルチモード/マルチコーナ(MMMC)解析といった機能を備えながら、そのインプリメント処理の大幅な高速化を実現しており、従来のインプリメントツールを使用した場合よりも、設計期間を5分の1から6分の1に短縮可能。既に28nmデザインでの利用実績があり、その先の20nm以降のプロセスも視野に入れたツールとして開発されている。
現在、市販ツールの中で最も高速であると主張するMagmaの「Talus 1.2プラットフォーム」は、クロストーク回避、オンチップ・バリエーション(AOCV)、マルチモード/マルチコーナ(MMMC)解析を併用しながら1日あたり100万?150ゲートのセル実装を実現。フラットで最大300万セルの実装を1日で処理出来るとの事。個別機能で言うと、例えばマルチコーナー/マルチモード解析で従来ツールの5倍以上のシナリオを処理し、実行時間を約10倍高速化することが可能だという。
これら劇的な高速化処理の秘密は、「Talus 1.2プラットフォーム」で使用されている独自のタイミング解析エンジンにあり、STAツール「Takton」や寄生抽出ツール「QCP」で利用されている基幹技術が生かされているという。
そして同時発表された「Talus Vortex FX」は、「Talus 1.2プラットフォーム」の更に上を行く高速化を実現したインプリメント環境で、Magma独自の分散処理機能「Distributed Smart Sync」技術によって、最適化機能を駆使しながら1日300万ゲートのセルを実装可能。フラットで最大1日500万セルを処理することができる。そのコア技術はマルチ・スレッド技術とマルチ・プロセッシング技術を組み合わせた独自の手法で、一般的なマルチ・スレッド技術のみのインプリメント・ツール(Talus 1.2もこれに当たる)と比較して2倍から3倍の高速化を実現できるとの事。Magmaはこの「Talus Vortex FX」を業界唯一最速の分散配置配線ソリューションだとしている。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2010.12.06
)