Xilinxが世界初のマルチダイFPGAを発表-3Dパッケージング技術とTSVで実現

2010年10月27日、Xilinxは、業界初となるマルチダイFPGAを実現する、スタックド・シリコン・インターコネクト技術を発表した。
発表によるとXilinxは、複数のFPGAダイを結合するスタックド・シリコン・インターコネクト技術を開発。この技術は、3次元パッケージング技術とTSV(シリコン貫通ビア)技術によって実現されるもので、単一パッケージ内に複数のFPGAダイを統合するマルチダイFPGAを実現する事が可能となる。
マルチダイFPGAの最大のメリットはロジック集積度の向上で、単一のマルチダイFPGAで従来FPGAの倍以上のロジック集積度を実現可能。より多くのFPGAリソースをユーザーに提供できる。また、スタックド・シリコン・インターコネクト技術により、FPGAダイ間のバンド幅が1ワット当たり100倍以上向上。レイテンシは5分の1となり、消費電力も減るため、複数のFPGAを使うよりもより高性能かつ低消費電力、低コストで大規模システムを実現できるようになるという。
Xilinxは、このスタックド・シリコン・インターコネクト技術で実現した世界初のマルチダイFPGA「Virtex-7 LX2000T(28nm)」を既にベータ顧客に提供中であるが、正式製品としてのリリースは2011年後半を予定。同デバイスは現行のシリアル・トランシーバ内蔵FPGA(40nm)の3.5 倍以上、シリアル・トランシーバを使ったAlteraの28nm FPGAに比べて2.8倍のロジック集積度を実現しているという。また、マルチダイFPGAの設計機能は「ISE Design Suite 13.1」でサポートされる予定で、複数FPGAダイへの自動パーティショニング機能が追加されるようだ。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2010.10.27 )