メンターのエミュレーター「Veloce」でOVMテストベンチを再利用した検証が可能に
2010年5月6日、メンター・グラフィックスは、同社のエミュレーター「Veloce」が検証メソドロジOVM(Open Verification Methodology)をフルサポートした事を発表した。
発表によるとメンターは、「Veloce」向けに開発したトランザクション・ベース・シミュレーションの高速化ツール「TestBench XPress」を用いる事で、OVM準拠のシミュレーション・テストベンチを「Veloce」上で再利用する手法を実現。設計者は、シミュレーション用に用意したOVMテストベンチを手を加える事無くそのまま「Veloce」で利用できるようになる。
OVMはテストベンチの再利用という面でも大きな利用メリットが有り、機能検証工程の大半を占めるテストベンチの作成工数を削減する事ができる。このOVMの利点と「Veloce」の高速化能力が結びつく事で、エミュレーターを用いた検証効率が格段に向上するのは言うまでも無く、設計者はシミュレーション用に作成したOVMテストベンチを用いて、最大でシミュレーターの400倍のスピードでトランザクション・ベース・シミュレーションを実行可能。5時間のビデオ・フレームのシミュレーションが「Veloce」上で30秒で完了するという。
OVMベースの検証手法は、メンター、ケイデンスの両社が先頭に立って推し進めており、国内でも利用事例の発表が増えつつある。教科書としては、昨年7月にメンターのMark Glasser氏による著書「OVM Cookbook」が出版されているが、メンターの立ち上げたオンライン・アカデミー「Verification Academy」に行けば、同書のPDF版や無償のOVMキットなどを入手できる。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2010.05.07
)