STARCとアトレンタ、ツールをユーザー視点で評価する品質向上プログラムを始動
2010年1月27日、STARC(株式会社半導体理工学研究センター)とアトレンタは、STARCが開発したEDAツール評価用データベースを活用したツール品質向上プログラムの始動を発表した。
発表によるとSTARCは、EDAツールの改版時の不具合を早期発見する事を目的に、テストケースと呼ぶ評価仕様書や評価モチーフで構成されるEDAツール評価用の「QAデータベース」を開発し、アトレンタに提供。アトレンタはこの「QAデータベース」を用いたツールの品質向上(評価)プログラムを開始し合わせて評価実施結果をSTARCにレポートする仕組みを作った。
実際にアトレンタが同社のRTL解析ツール「SpyGlass」の改版時に同プログラムを実施したところ、以前見られていたツール改版時のリグレッションが一切無くなったという。
評価実施結果のレポートには、不具合の有無や不具合の内容、不具合の改修予定などの情報とQAデータベースに対応した仕様変更情報なども含まれており、それらを確認する事で設計者は、ツールを設計現場に適用するかどうかの判断を円滑に行う事が可能となり、これまで工数を割いていたツールの確認作業を削減できようになる。
アトレンタは今回の品質向上プログラムについて、ツールの不具合を減らすだけでなく、QAレポートの共有によりユーザー・サポートが容易になったとコメント。
STARCは今回の成果を受け、評価機能の追加や適用EDAツールの拡大を進め、ツール品質の維持やツールの評価・サポートコストの削減に役立てていく予定。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2010.01.27
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