ケイデンスがTLMドリブン設計/検証ソリューションを拡張し組込み開発環境と連携

2009年10月7日、ケイデンスは、同社のTLMドリブンの設計および検証ソリューションと、業界標準の組込みソフトウェア環境を統合したことを発表した。

プレスリリース文

ケイデンスのTLMドリブン設計/検証ソリューションとは、同社の機能検証プラットフォーム「Incisive Enterprise Simulator」とその拡張機能「Incisive Software Extensions 」を指しており、ケイデンスはVirtutech社との協業により、同社の仮想環境「Simics」と「Incisive Software Extensions」を組み合わせた仮想プラットフォーム上のハード/ソフト設計を実現している。
※TLM:transaction-level model

発表によると今回ケイデンスは、このTLMドリブン設計/検証ソリューションに以下の3つの機能を追加。ソフトウェア開発者をターゲットとしたソリューションの強化を図った。

・OVMベースのTLMハードウェア/ソフトウェア コ・ベリフィケーション機能
・TLMとC/C++ ハードウェア/ソフトウェアの統合コ・デバッキング機能
・ARM、GNU、Green Hills SoftwareおよびARCのC/C++コンパイラ向け組込みソフトウェアのシンボリック・デバッグ機能

 この拡張により、ソフトウェア開発者は、開発の早期段階で「Incisive」を用のTLMデバッグ機能を用いたソフトウェアの検証・デバッグが可能に。TLMトランザクションの自動プロービング、組込みソフトウェア・スレッド・トレースといった機能が使えるほか、組込みソフトウェアのソースからOVMテストベンチのテンプレートを自動生成することも可能で、ハードとソフトの協調検証も容易に実行できるという。

ケイデンスは、DA SHOW/CDNLiveやDACなど、ここ最近の各種イベントで「今後はESLとアナログ/ミックスドシグナル分野に更に注力」と明言しており、好調な様子の高位合成ツール「CtoSilicon Compiler」を足掛かりに、更に上位のTLMベースのシステムレベル設計の分野へと積極的にソリューションを拡大している。

日本ケイデンス・デザイン・システムズ社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2009.10.07 )