【DACレポート3】Bluespec、FPGAエミュレーション向けの新製品を披露
第46回DACに出展していたBlueSpecのブースレポート。
BlueSpecはこれまでのデモを中心とした展示ブースから、商談ルームを中心とした展示ブースに変身。HLSツール「Bluespec Compiler/Simulator」と合わせて、新製品としてリリース予定のエミュレーション・ソリューションを展示していた。
未だ正式な製品名を明らかにしていないエミュレーション用の新製品は、FPGAエミュレーションをターゲットとしたもので、Bluespec Compilerのトランザクタ生成機能、Bluespec Compilerによって生成される合成可能なテストベンチコンポーネント、別途用意されるインタフェースIPによって構成される。
このソリューションは、セットアップ作業が大変なFPGAエミュレーションをシミュレーションの手軽さで実現するというモチベーションで開発されたもので、下記のブロック図に示されたような環境を簡単に構築できる。
同環境は汎用のFPGAエミュレーションボードで構築でき、SCE-MI APIの利用やテストベンチコンポーネントをデザインと合わせてFPGAに入れる事で50?100Mhzと高速なエミュレーションを実現可能。FPGAボードとシミュレーターの接続はコ・シミュレーション用のインタフェースIP(USB、Ethernet、PCIxなど)を利用できるという。
Bluespec CompilerはSystemVerilogをベースとしたHLSツールで、CまたはSystemCが中心のHLSツール市場の中では異端的な存在であるが、コントロールロジックにも対応した合成機能が優れていると評判で、業界アナリストGary Smith氏も「HLSツールのダークホースはBluespec」とDACの講演でコメント。日本国内でも複数の大手が本格的な評価を進行中で、それら顧客は既存HLSツールとの使い分け、または置き換えを検討していると聞いた。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2009.08.06
)