高位合成ツール米フォルテがデータパス合成ツールの米Arithmaticaを買収

2009年9月28日、SystemC言語からの高位合成ツールを手がける米Forte Design Systems社は、データパス合成ツールや演算器IPを手がける米Arithmaticaの買収を発表した。

プレスリリース文

両社は今回の買収に関する条件などは公開していないが、一部情報によるとフォルテが現金で買収した様子。

フォルテは自社の高位合成ソリューションにarithmaticaの高性能演算器ソリューションを取り込み、合成する回路の更なる品質向上を目指す。

Arithmaticaは、元々独自のアルゴリズムによる高性能演算器「CellMath IP」で事業を開始。その後、高性能演算器を自動生成するデータパス合成ツール「CellMath Designer」の提供を開始し、更にその拡張版でデータパス系のIPモジュールを効率良くリターゲティングするための最適化ツール「CellMath Optimizer」をリリースしていた。

「CellMath Designer」は、独自の演算器アルゴリズムをベースに、処理速度を向上させコストを削減するデータパスを自動生成することが可能。SAVIと呼ばれる独自の専用言語によって記述されたデータバスの仕様記述を入力すると、データパス回路が自動生成され論理合成可能なゲート・レベルまたはRTLのVerilog-HDLコードが出力される。また、検証用のビット・アキュレートなCモデル、Verilog-HDLモデルを出力することができるほか、フォーマル検証用のゲート・レベルのモデルも出力できる。

「CellMath Optimizer」は、パフォーマンスを損なう事無く、IPを新たなタイミング制約や新たなシリコンターゲットに基づいて再マッピングするツールで、オリジナルのHDLデザインと合わせテクノロジ・ファイル(.lib互換)とタイミング制約(SDC互換)を読み込んだ上でデータパスを最適化。10-20%のパフォーマンス改善を見込む事ができる。

当然ながら両社共通の顧客は今回の買収を歓迎しており、日本国内で両社のソリューションを使用しているグラフィカルIPベンダのDMP社(ディジタルメディアプロフェッショナル)もフォルテの買収発表にコメントを寄せている。

フォルテ・デザイン・システムズ社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2009.10.01 )