ケイデンス、新たな物理検証システム「PVS」を発表
2005年9月12日、米ケイデンス社(Cadence Design Systems inc.カリフォルニア州・サンノゼ)は、新たな物理検証システム、Cadence Physical Verification System(以下PVS)を発表した。
PVSはデザイン・ルール・チェック(DRC)及びレイアウトVSスケマティック比較検証を行なう検証システムで、従来手法と比較して大幅にランタイムが削減されているという。
プレスリリース:http://www.cadence.co.jp/news/h17-9-14b.html
PVSは、新たな手法を用いて設計データを処理することによって、これまでは限界があったツールの処理能力を飛躍的に向上させ、多くのCPUを使用すればするほど、設計規模に対してリニアに近い処理能力を実現し、物理検証のサイクル期間及び設計全体のサイクル数を大幅に削減することができる。 また、PVSは、コンカレントなデバッグ機能を備えており、OpenAccess 2.2を通じてデバッグ結果をVirtuosoベース環境へ反映させることができるため、設計者は、物理検証作業を進めながらバグを修正するという並行作業ができるようになり、バグ発見を早め検証時間の短縮する。
また、PVSは、ケイデンスのVirtuosoやEncounter platform、寄生容量抽出ツール、RETツールと統合されおり、同社の製品セグメント化戦略に基づき、単一のCPUデスクトップで稼動するPVS L とパラレルな処理が可能なPVS XL に分けられており、設計の複雑度に応じて段階的に製品が提供される形となる。
関係各社のコメントは以下の通り。
■富士通株式会社、電子デバイス事業本部 テクノロジ開発統括部 統括部長 兼 テクノロジ開発統括部 第一開発設計部 部長 市野 尚治氏:
「ケイデンスのPVSは、最先端の90ナノメーター以下の設計に向けた弊社のニーズに対処する最先端のソリューションであり、65ナノメーター及びそれ以下に求められるパフォーマンスのスケーラビリティを提供してくれます。このシステムは、目覚しいパフォーマンス、コンカレントな検証結果のレポート機能、そしてVirtuoso platformやOpenAccessとの優れたインテグレーションを提供しています。PVSは、弊社の世界中の設計チームによって90ナノメーター及び65ナノメーターの実設計において物理検証用に使用されており、その優れた拡張性により、将来は、製造工程や歩留まりの最適化に対処するためにも使用される予定です。」
■米国ケイデンス Vice President&knm Design for Manufacturing Dr. Marc Levitt氏:
「ケイデンスのPVSは、設計チームが従来のツールを使用して一晩中、あるいは何日もかかって行っていた最先端の設計の処理を、昼食を取る間に完結できます。この新しいシステムは、最先端をゆく我々のお客様の大規模設計に対するスループットへの要求に応えるばかりでなく、45ナノメーター及びそれ以下の将来の需要にも対処可能なパフォーマンスの拡張性を提供します。」
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.09.16
)