富士通、次世代車載ネットワークFlexRayのコントローラーLSIを発売

2005年9月13日、富士通株式会社(神奈川県・川崎市)は、次世代の車載ネットワークとして、現在、標準化が進められているFlexRay(フレックスレイ)のコントローラーLSI「MB88121」を9月末より販売すると発表した。

同製品はボッシュIPを搭載した世界で初めてのFlexRayのASSP(Application Specific Standard Products:特定用途向けIC)となるという。

プレスリリース:http://pr.fujitsu.com/jp/news/2005/09/13-1.html

富士通は、2005年1月にボッシュ社よりFlexRay IPライセンスを取得し、6月にFlexRayスタータキットを発売している。

今回開発したFlexRayのASSPは、既存システムで使用している富士通製及び他社製のマイクロコントローラーに、バスを用いて接続することができるため、既存システムの資産や信頼性を流用しながら、FlexRayを使った次世代システムの開発を行い、早期に量産化することが可能となる。

サンプルチップの出荷は2005年9月末を予定しており、販売価格は540円を予定。また、2006年には、富士通製組込み向け32ビットコアにFlexRay IPを搭載したマイクロコントローラーのサンプル出荷も予定している。

MB88121の主な仕様は以下の通り。

■内部クロック:80MHz
■電源電圧:5.0V±10%、3.3V±10%、1.8V±10%
■プロトコルバージョン:FlexRay IP バージョン2.0
 ※バージョン2.1は計画中
■インタフェース:パラレルインターフェース(最大通信周波数:33MHz)
 ※シリアルインターフェースは計画中
■パッケージ:LQFP(FPT-64P-M03)
       64ピン、0.5ミリメートルピッチ、10ミリメートル角
 ※48ピンは計画中

FlexRay:
次世代の車載ネットワークの一種。高信頼でより高度な制御に対応するもので(最大通信速度毎秒10メガビット)、機械制御を電子制御に置き換えるX-by-Wire向け次世代の高度な車載ネットワークとしての標準化がFlexRayコンソーシアムにおいて進められている。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.09.13 )