シノプシス、TCAD新製品 SENTAURUS を発表

2005年10月17日、シノプシスは、新しいテクノロジCAD (TCAD) 製品群Sentaurusを発表した。

プレスリリース:http://www.synopsys.co.jp/pressrelease/2005/20051017.html

Sentaurusは、多次元プロセス、デバイスおよびシステム・シミュレーション向けの主要TCAD製品を強力なユーザー・インターフェイスに組み込んだ新製品で、シノプシスとシノプシスが昨年買収した旧ISE社のTCAD製品の業界最高機能を統合して開発された。

既存製品のTSuprem4、Medici、Raphael と共に Sentaurus を採用することにより、ユーザは既存のツール環境を変更することなく、最新のTCAD環境を利用できるという。

Sentaurusは、ディープサブミクロン・ロジック・デバイス、メモリ、ミックスドシグナルから低消費電力デバイス、センサー、化合物半導体、オプトエレクトロニクスおよび高周波(RF)デバイスまで、半導体テクノロジすべてを網羅している。

Sentaurus製品群が提供する様々な機能を組み合わせることにより、プロセスとデバイスの幅広い選択を検討し最適化することが可能になると同時に、パラメトリックな歩留まり低下を改善する強力な新しいコンセプトを提供する。これにより、プロセス・テクノロジの開発コストを削減し、生産性の向上が可能になる。

尚、国際半導体技術ロードマップ(ITRS) 2004年版によると、TCADの採用によりテクノロジの開発コストを最高で40%削減できるとしている。

■株式会社 東芝 セミコンダクター社 知識・技術インフラ統括責任者 小松茂氏のコメント:
「東芝では、新しいコンセプトの探究、次世代の先端テクノロジの開発、そしてパラメトリック歩留まり最適化で発生する課題の解決など、さまざまな方面でTCADツール群を使用しています。基板エンジニアリングから最先端プロセス制御に亘るまで、TCADは実測値からは容易に得られなかった重要な情報を提供してくれます。TCADのシミュレーション結果はシリコン実験に値し、これらを用いることにより製品開発プロセス全体のコストと時間を削減することができ、目標とする歩留まりと開発期間の制約を達成することができます。Sentaurus製品群の強化機能により、新しいプロセスやデバイスの開発および改善にTCADの利点を利用することが可能になりました。」

■メイン州ポートランド Fairchild Semiconductor社 TCAD担当ディレクター Scott Irving氏のコメント:
「TCADは、我が社のテクノロジ開発フローの中で重要な役割を果たしています。シリコン・データが十分なく、さらなるウエハ分割の実施に多大な時間を要する場合、TCADシミュレーション結果は大変貴重な情報となります。シノプシスのTCAD製品群は、モンテカルロ・モデリングなどの最先端モデリング機能により、将来のデバイスやテクノロジを探求するために信頼性の高い環境を提供してくれます。確度の高いシミュレーション結果による新しいプロセスの最適化や、統計的なモデリングと解析機能による製造歩留まりの改善が可能になりました。」

■シノプシス TCAD製品 技術担当副社長兼ジェネラル・マネージャー Wolfgang Fichtner氏のコメント:
「開発競争は激化の一途をたどっており、製品開発に費やすコストと時間を削減し、製品をスケジュールどおりにマーケットに提供するためにTCAD製品群による開発結果予測を最大限活用しているお客様が増えています。今回新たにリリースされたSentaurusは、お客様に最高のモデリング機能を提供します。これらの機能により、費用と時間の両面において最も効率的な方法で、さらに高度な技術を追求することが可能になります。シノプシスはSentaurusにより、マニュファクチャリングとEDAのギャップを埋める最先端テクノロジを提供し、TCADとDesign for Manufacturing (DFM)でのシノプシスのリーダーシップをさらに強固なものにしました。」

今回発表された Sentaurus TCADツール群は、すでに一般提供が開始されている。(プレスリリース要約)

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.10.18 )