ルネサス、システム開発のプラットフォーム「EXREAL Platform」を発表

2005年10月25日、ルネサス・テクノロジは、SoCのチップ開発から顧客におけるシステム開発までの統合ソリューションを提供する「EXREAL Platform(エクスリアル・プラットフォーム)」を実現したと発表した。

プレスリリース:http://japan.renesas.com/fmwk.jsp?cnt=press_release20051025.htm&fp=/company_info/news_and_events/press_releases

「EXREAL Platform」は、顧客のシステム開発に高信頼、高効率、高敏捷性を提供することをコンセプトにし、デジタル家電や自動車、携帯等の分野を問わず、顧客が要望する最適なプラットフォームを提供するマザー・プラットフォームで、主な特長は以下の通り。

■資産の再利用性と既存資産も活用できる高い移植性:
開発した資産(ハードウェア、ソフトウェア)を、次の新規開発製品に、継続して利用できる継承性を有し、ルネサスならびに顧客の既存資産を活用できる高い移植性を実現している。また、オープンな拡張性により、サードパーティや他社のハードウェアIP(Intellectual Property)を利用することも可能。

■柔軟なスケーラビリティ:
組み込むCPUやIPの個数をスケーラブルに増減することが可能で、システム開発で求められる性能や消費電力、信頼性を柔軟に実現でき、様々な分野における最適なシステム開発に対応可能。

■高度なヘテロジニアス構成を実現:
多様なCPUやIP等のハードウェア部品を柔軟に接続することが可能で、その高度なヘテロジニアス構成によって、システムの性能、機能、コストの最適化を図れる。

■ハードウェアを意識しないアプリケーションソフトウェア :
画像処理などの各機能に対応するソフトウェアIPおよびハードウェアIPをセットにし、アプリケーションソフトウェアからはハードウェアを意識しないソフトウェア階層にしている。このため、顧客は、ソフトウェアの最上位層であるアプリケーションの開発に専念することができる。

これらの特長により、新規チップの開発を、最大40%の期間短縮が可能(ルネサス社内比)であり、顧客におけるソフトウェア開発の飛躍的な効率向上と高信頼性のソフトウェア実現に貢献するという。

また、「EXREAL Platform」の基本概念は、ハードウェアIP、ソフトウェアIPの各コンポーネント部品について、標準化した接続仕様で機能モジュールを包み、所望の部品接続の飛躍的な容易化、継承性を実現することにあり、下記、3種類のキーテクノロジーによって、それを実現している。

■ハードウェア・インターコネクト技術:
CPUを含むIP、モジュール等のハードウェア部品だけでなく、オンチップバスや電力管理等の機能も含め、統一仕様による接続技術

■ソフトウェア・インターコネクト技術:
ハードウェア部品を駆動するドライバソフトウェア、OS(Operating System)、ミドルウェア、アプリケーションの各ソフトウェア階層において、階層の境界を標準化して接続する技術で、個別のソフトウェア部品は、この標準接続仕様に基づく。

■評価検証技術:
開発済みLSIの各種IPの性能を評価、蓄積し、新規開発製品に適用する際に、予測、検証を開発上流工程で行う技術

尚、ルネサスは、このプラットフォームでデュアルモード通信端末向けワンチップLSIを開発して実証した他、現在、デジタルTV用システムLSIや車載機器用LSIの開発を進行中であり、今後の新規開発するSoCに積極的に適用していくという。(プレスリリース要約)

本件に関するお問い合わせはこちら:http://update.renesas.com/registration/inquiry1.do?language=jp&action=inquiry1®ion=jp&country=jp

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.10.26 )