日立コミュニケーションテクノロジー、ケイデンスのエミュレータを導入

2005年11月9日、ケイデンスは、日立コミュニケーションテクノロジーが、同社のエミュレーション及びアクセラレーション向けに、Palladium IIを採用したことを発表した。

日立コミュニケーションテクノロジーは、設計案件の増加、厳しい開発スケジュール、求められる設計品質、社内技術者の強い要求などを踏まえ、その必要性からケイデンスのPalladium IIの採用を決定したという。

また、採用にあたっては市販競合製品の検討も行なわれたが、その中からケイデンスのPalladium IIを選択した大きな理由として、下記2点を挙げている。
 
・FPGAベースのエミュレーションシステムよりも高速な実行速度とコンパイル時間
・複数による同時アクセスが可能という利便性

Palladium IIは、演算エンジンと、プロセッサ・ベースのアーキテクチャを用いたアクセラレータ・エミュレータで、周辺機器、組み込みプロセッサ、多様なASIC、組み込みソフトウェア、そして実データを統合することで、完全なシステム検証に対応している。

また、エミュレーション・モードや、合成可能なテストベンチによるリグレッション・テストで、シミュレーションに比べ、最大10000倍のパフォーマンスを提供し、最大32名のユーザによる同時使用にも対応しており、日立コミュニケーションテクノロジーの求める次世代ネットワーク製品向けチップセットの検証要求を満たす事ができたという。

■日立コミュニケーションテクノロジー キャリアネットワーク事業部 DA部 部長 佐藤 英也 氏のコメント:
「我々は、設計の急増及び検証作業における根本的なニーズに対処するために、市販の幾つかのソリューションを検討しました。Palladium IIは、従来のFPGAベースのエミュレーション・システムとの比較において、より優れた実行速度と、より短いコンパイル時間を提供してくれました。また、Palladium IIでは、複数のソフトウェア・プログラマや、設計・検証に携わる技術者が同時にアクセスできるようになっています。Palladium IIは、市場に現存する製品の中で、最善のソリューションでした。Palladium IIを採用以来、我々は投資以上に既に多大なリターンを得ています。」

■ケイデンス Executive Vice President and General  Manager of the Cadence Verification Division Moshe Gavrielov氏のコメント:
「我々は、(株)日立コミュニケーションテクノロジーと緊密な協業を行うことができて、大変光栄に思っております。同社は、コミュニケーション市場において継続的に革新的な技術を開発し、新製品を市場に投入しており、そのために検証を含めた設計プロセス全体の子細な検討が必要です。我々は同社が、全体的な製品出荷目標に対処するためにPalladium IIを採用したことを大変喜ばしく思っております。」
(プレスリリース要約)

※アクセラレータ・エミュレータPalladium IIに関する詳細は、日本ケイデンスへお問い合わせ下さい。http://www.cadence.co.jp/

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.11.10 )