【ET2005】LUTとメタル配線の融合で実現>>eASICのストラクチャードASIC
2005年11月17日、イーエイシック・ジャパン?は、パシフィコ横浜で開催中の組み込み総合展示会ET2005にて、同社のストラクチャードASIC「FlexASIC」に関する発表を行なった。
eASIC社は、99年に設立された会社で社員は現在80名、カリフォルニア州サンタクララに本社を置く。日本ではeASICジャパンとして新横浜に本社を置き、2005年10月にイノテックと代理店契約を結んでいる。
eASIC社の「FlexASIC」は、130nmプロセス、8層メタル配線で製造されるストラクチャードASICファミリで、現在25万?300万ASICゲートまでの計6品種がラインナップされている。
「FlexASIC」の最大の特徴は、LUTセルとメタル配線が組み合わされている点で、これにより、論理のプログラマブル性と高速・低消費電力な配線を実現すると同時に、製造コストや設計期間を大幅に削減することができる。
具体的には、一般的なストラクチャードASICで言うユーザカスタマイズ層がFPGAのようなLUTベースの構造になっており、ビットストリームの呼び出しによって論理を構成する事ができる。そのため、8層メタル配線のうち、ビア1層を除く全てのマスクパターンはデザインに関わらず同一で、たった1層のビアのみで配線を行える。
この、ビアのカスタマイズはEB直描で行なえるため、マスク代は不要で(予め作り込まれたマスクはeASICが負担)顧客は低コスト、短納期かつ発注数量の制約を受けずにでチップを手に入れることが可能。量産に向けてマスクをおこす場合でも、必要となるのは1層のビアマスクのみで、低コストを維持できる。
デザイン環境は、独自の配線技術を用いているため、eASIC社から提供される無償の設計ツールと市販のツールとを組み合わせる形となり、シノプシス社のDesignCompiler、マグマ社のBlastCreateSAなどに対応している。
また、eASIC社のツールからは、最終的にチップを実現するGDS-IIデータとビットストリームの2種類のデータが出力されるが、マスク製造に必要となるのはGDS-IIのみであるため、ビットストリームは社外に出さずに済み、セキュリティ面においても大きなメリットとなる。
発表を行なったeASICジャパンの岸本氏(営業本部 本部長)は、「FlexASICは、一般的なASICのランダムな配線構造と比較して、配線構造が規則的であり、タイミング収束が容易で微細化にも対応し易く今までに無かったタイプのデバイスと言える。」と語り、一般的なストラクチャードASICで言われている低コスト・短納期というアピールに加え、設計や歩留り向上におけるメリットの高さを強調した。
尚、FlexASICは、現在システムベンダ向けに130nm製品をサンプル出荷中で、今後は富士通との契約により、90nm製品の開発も進めていく予定だと言う。
※製品紹介スライド抜粋 https://www.eda-express.com/edalibrary/files/1132282708.pdf
※FlexASICに関する詳細は、eASIC社にお問い合わせ下さい。http://www.eASIC.com
イノテック株式会社 新事業推進本部 eASICグループ
easic@innotech.co.jp TEL:045-474-9070
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.11.18
)