ミップス、新製品「MIPS32 24KE」プロセッサ・コア・ファミリーの供給を開始>>DSP機能を搭載し動作周波数850MHzを実現

2006年3月29日、ミップス・テクノロジーズは、DSP機能を搭載した32ビット・シンセサイザブル・プロセッサ・コア「MIPS32 24KE」ファミリーの一般向けライセンス供与開始を発表した。

プレスリリース:http://www.mips.jp/06press/Releases/2006/06_03_29.html

「MIPS32 24KE」コア・ファミリーは、特定アプリケーション向け拡張機能「MIPS DSP ASE」の搭載によって、機能制御と信号処理の両方に対応することができ、「DSP ASE」を搭載していないRISCプロセッサと比較して3倍近くの信号処理性能を実現。高性能ながら、SoCの価格、ダイサイズ、消費電力を大幅に削減することを可能としている。

この「MIPS32 DSP ASE」によって強化されるアプリケーションは、VoIP処理、ナローバンドおよびブロードバンド通信、デジタル・オーディオ、ビデオやイメージ処理などが挙げられ、IDCT処理(画像圧縮)で68%、IMDCT(MP3デコード)で106%、FIRフィルターで約234%、標準32x32 DCT(飽和演算)で315%の性能向上例があるという。

また、「MIPS32 24KE」コア・ファミリーは、ARM1136よりも30%以上も電力効率が高いというBDTIのベンチマーク結果が示すように、コアの消費電力が非常に低く、バッテリーを使用する機器や熱設計の制限が厳しい機器にも適しており、デジタル家電市場や携帯電話、プリンタ、モデム、ホームゲートウェイや車載テレマティックスなどの様々な市場をターゲットとしている。

尚、ミップスによると、24KEファミリー・コアの早期アクセス・ライセンスを取得しているライセンシー企業は、すでにチップの開発と製品発表を終えており、同コアを用いて最初に発表された製品は、独Infineon Technologiesによって開発されたVoIP市場向けのSoCで、2つの24KEコアを搭載したとの事。

※ミップス・テクノロジーズ
http://www.mips.jp

※BDTI
http://www.bdti.com

※Infineon Technologies
http://www.infineon.com

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.04.03 )