メンター、動作合成ツールCatapultシリーズの新製品「Catapult SL」を発売>>ブロック間チャネルやメモリ・バッファを自動合成

2006年6月13日、メンター・グラフィックスは、Catapult製品ラインの新製品として、純粋なシーケンシャルANSI C++から高性能なマルチブロック構成のサブシステムを自動的に生成することができる高位合成ツール「Catapult SL(System Level)」を発表した。

プレスリリース:http://www.mentorg.co.jp/news/2006/060613.html

新製品「Catapult SL」は、複雑な階層設計をサポートする動作合成ツールで、純粋なC++記述から高性能ビデオや無線通信といった信号処理アプリケーションのサブシステム全体を自動合成することが可能。各ブロックのパフォーマンスを要求仕様に合わせて最適化すると同時に、サブシステム内の複数のブロック間のチャネルやメモリ・バッファも自動的に合成することができる。

また、「Catapult SL」は、キャリーセーブアダー(桁上げ保存加算器)をサポートしており、ハードウェア・サイズを削減しながらより高性能なハードウェア・ブロックを生成することも可能で、これら機能によって、チャネル、メモリ・バッファ、インタフェース・タイミングなどの人手による挿入作業を省き、SystemCなどハードウェア記述用C言語やブロック単位での合成手法では容易に達成できない品質のハードウェア合成を実現する。

更に、「Catapult SL」には、サードパーティ製消費電力解析ツールへのリンクも用意されており、複数の合成結果を消費電力効率の面からトレードオフすることも可能。ユーザの実例では、最大30%もの消費電力削減効果が実証されているという。

メンターの動作合成ツール「CatapultC Synthesis」は、2004年の製品リリース以降、ヨーロッパの大手半導体ベンダを中心に採用が加速しており、現在、ワールドワイドで50社以上の顧客を持つ。先日も日本国内にてパイオニア株式会社の採用が発表されたばかりで、海外では画像処理や無線通信系のアプリケーションにおけるテープアウト実績もある。
※関連ニュース
「パイオニアがメンターの動作合成ツール「Catapult C Synthesis」を採用?デジタル信号処理開発に適用」
https://www.eda-express.com/news/?m=p&idno=502

なお、今回発表された「CatapultC SL」は既に出荷中で、米国販売価格35万ドル、「Catapult C Synthesis」の販売価格は14万ドルからとなっている。

※「CatapultC SL」に関する詳細は、メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社までお問い合わせ下さい。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.06.13 )