【DACレポート】米Averant、プロパティ検証を自動化できる「Solidify」の新バージョンを発表

米Averant社は、展示ブースにて発表したばかりのフォーマル検証ツール「Solidify 4.0」のデモを行っていた。

関連プレスリリース:http://www.averant.com/news-96.html(英文)

「Solidify」は、静的に論理検証を行うフォーマル検証ツールとしては早くからユーザに受け入れられてきた老舗ツールで、日本国内でも既に100を超えるライセンス出荷実績がある。

これまでは独自のプロパティ言語HPL(Hardware Property Language)で記述したプロパティによって、RTLを静的に検証する形を取っていたが、新バージョン「Solidify 4.0」では、新たにSVA(SystemVerilog Assertion) に対応した他、PSL/OVA/SVA/OVL/HPLの各言語間のトランスレータが備えられ、利用言語を問わずツールを扱えるようになった。これは既存の検証IPの再利用などにも役立つ嬉しい機能。

更に「Solidify 4.0」には、GPS(Guided Proof System)機能と呼ばれる半自動検証フローモデルがサポートされるほか、従来のオートチェック機能の拡張によって、予め備えられた検証IP(標準的なプロパティ)でプロパティ検証の自動処理が可能となり、プロパティ記述に不慣れな利用者にも容易に扱える工夫が施された。勿論、用途に応じて登録されている検証IPのカスタマイズも可能でプロトコル用の検証IPとしては、ARMのAHB/APB/AXIなどが用意されている。

その他、プロパティの検証範囲を示唆する機能もあるプロパティ・カバレッジ機能や、テストベンチ自動生成機能など従来機能も強化された。テストベンチ生成は、プロパティ反証のデバッグの際に行うダイナミック・シミュレーション用となる。

この「Solidify 4.0」は、間もなく8月に製品が正式リリースされる予定で、日本国内では先頃正規代理店となった、株式会社ガイア・システム・ソリューションから販売される。

Averantジャパンの社長である木村氏は、「Solidifyはあくまでも検証におけるポイントツール」、「フォーマル検証でやれるところはやり、それ以外は従来通りのシミュレーションを行うという形で、現状の検証フローを変える事無く検証の補完ツールとして利用して欲しい」と語っていた。

※Averant社 http://www.averant.com

※Averant社製品の日本販売代理店 株式会社ガイア・システム・ソリューション
http://www.gaiaweb.co.jp

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.08.01 )