シノプシス、SystemC TLM 2.0標準化に向けてOSCIにバーチャル・プラットフォーム・テクノロジを提供

2007年1月23日、シノプシスは、SystemC TLM 2.0標準化に向けてOSCIにバーチャル・プラットフォーム・テクノロジを寄贈する事を発表した。※OSCI:Open SystemC Initiative

プレスリリース:http://www.synopsys.co.jp/pressrelease/2007/20070122-2.html

発表によると、今回シノプシスが提供するのは、SystemCベースのバーチャル・プラットフォーム環境の開発を可能にする高性能なインターフェイス標準の確立に寄与するもので、そのコンセプトを実証するのに必要な機能と、実証例ならびに関連する技術文書など。

シノプシスは、今回の技術提供は、OSCI TLM(Transaction Level Modeling)2.0のドラフト版を進展に導くことになるとしており、SystemCベースのシステムレベル設計技術の確立に貢献するという方針を明示。OSCIの創設メンバーでありながら、これまでは状況を静観していた感があったが、SystemC TLM 2.0標準化に対する積極姿勢を明らかにした。

シノプシスは、2000年頃から他社に先駆けて協調検証ツール「CoCentric System Studio」や動作合成ツール「CoCentric SystemC Compiler」といった、SystemCベースの設計ツールの提供を進めていたが、ESLという言葉が生まれる前にその活動を休止。ここ数年、SystemC関連では目立った動きを見せていなかった。しかし、昨年5月に組み込みソフトウェア向けのバーチャル・プラットフォームを手掛けていた米Virtio社を買収。にわかにESL分野への次なる展開を匂わせていた。

ESL分野は、DFMと並んでEDA業界の成長の鍵を握る分野として注目されており、シノプシスが再び同分野への積極姿勢をとる事によって、今後どのようにESL市場が動いて行くかが注目される。

尚、シノプシスは、OSCI TLMワーキング・グループの全てのメンバーに、発表したバーチャル・プラットフォーム・テクノロジを即時提供開始するとしている。

※OSCIへの技術提供に関する詳細は、日本シノプシス株式会社にお問い合わせ下さい。
http://www.synopsys.co.jp

※OSCI
http://www.systemc.org

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2007.01.23 )