シノプシス、ミックスドシグナル・シミュレータ「Discovery AMS」をバージョンアップ>>新エンジンでSPICE精度のシミュレーション時間を50分の1に
2007年4月2日、シノプシスは、アナログ・ミックスドシグナル・シミュレータ「Discovery AMS」の最新バージョン「Discovery AMS 2007」のリリースを発表した。
プレスリリース:http://www.synopsys.co.jp/pressrelease/2007/20070403.html
「Discovery AMS 2007」は、Fast SPICEシミュレータ「NanoSim」と「HSIM」をベースに、新たなシミュレーション・エンジンが追加されたアナログ・ミックスドシグナル・シミュレータで、SPICEレベルの高精度シミュレーションをFast SPICEを上回る速さで実現するというもの。検証容量もFast SPICEレベルを維持しており、高精度ながら容量の少ないSPICEと高速・大容量ながら精度の低いFast SPICEとのギャップを埋める事ができる。
「Discovery AMS 2007」の最大の特徴と言えるのは、新たなトランジスタレベル・シミュレーション・エンジン「XAシミュレーション・テクノロジ」の採用で、この新エンジンは、既存の「Discovery AMS」ユーザーの要望に応えるために、数年前から開発が進められていたもの。これまでFast SPICEを利用する際に必要だった各種「チューニング」をシミュレータに予め組み込むというアプローチで、シミュレーションのランタイムだけでなくセットアップタイムも大きく削減。これによりツールのユーザビリティも高まり、エキスパートに限らず誰もが扱うことができる。
また、論理シミュレータ「VCS」との連携やデバッグ環境も強化され、デバッグ用のビューワでデジタル/アナログの両方の波形を同時に見る事ができるようになり、そのクロスプロービングも可能となった。
シノプシスが既存顧客6社の協力を得て行ったベンチマーク結果によると、「Discovery AMS 2007」は、SPICEで45日かけても終了しなかったPLLのシミュレーションを僅か2.5日で、Fast SPICEで4時間以上かかったスイッチング・レギュレーターのシミュレーションを48分で終了。ルネサス・テクノロジにおいても、幾つかの中?大規模デザインを用いて「Discovery AMS 2007」試用した結果、SPICEレベルの検証精度を維持しつつ、検証時間を平均してFast SPICEの1/5、SPICEの1/50以下に短縮する事ができたという。
尚、「Discovery AMS 2007」は4月より製品の出荷が開始されており、既存の「NanoSim」および「HSIM」ユーザーは、「XAシミュレーション・テクノロジ」をオプション機能として追加購入することができる。
※「Discovery AMS 2007」に関する詳細は、日本シノプシス株式会社にお問い合わせ下さい。
http://www.synopsys.co.jp
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2007.04.03
)