リキッド・デザイン社、米FASTRACKの次世代SPICEシミュレータの取り扱いを開始
2009年3月2日、3次元半導体技術とEDAソリューションを手掛ける、リキッド・デザイン・システムズは、米Fastrack Design社の大規模アナログ/ミックスシグナルシミュレータ「mSPICE」とクロックツリー/クリティカルパス解析ツール「Spice Track-CP」の販売開始を発表した。
リキッド・デザイン・システムズは、2008年6月創業の国内ベンチャーで、代表取締役の遠山直也氏をはじめとした創業者4名の半導体業界にける経験・実績をベースに、3次元半導体技術のライセンスやEDAツールの販売などを行っている。
今回販売開始を発表したFastrack Design社の製品は、EDAツールとして同社初となる取り扱い製品で、SPICEシミュレータ「mSPICE」は、100%SPICE精度+高速実行がウリ。回路リダクション無しに100%精度のSPICEシミュレーションを実行する「mSPICE」は、単一マシン上におけるマルチスレッドと複数マシンによる分散処理に対応しており、従来SPICEシミュレータよりも10倍から1000倍高速な処理を実現。既にその性能は実デザインのプリ及びポスト検証で実証済みとしており、246万トランジスタのデコーダにおけるミックスシグナル検証にて、1CPUで70時間要した検証を4CPUで24時間で収束したというベンチマーク結果があるという。
ASICデザインサービスを手掛けているFastrack Design社が開発した製品ということもあり、「mSPICE」は使い易さも重視されており、GUIとデバッグ環境も自慢の一つ。従来設計データとの互換性もさることながら、多数のトランジスタモデルに対応している。
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もう一つのクロックツリー/クリティカルパス解析ツール「Spice Track-CP」は、レイアウト後のフルチップレベルから抽出された電源ネットワークを考慮したクロックツリーおよびクリティカルパス解析を100%精度で実現。1000万素子のシミュレーションにも対応可能で、verilog、spef、lef、def、sdc等の業界標準フォーマットをサポート。クロックツリーの解析というニーズに対してこれまで市販ツールに無かったキャパシティとパフォーマンスを提供してくれる。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2009.03.02
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