【DACレポート12】Magma、新たな柱「Titan」と発表間もないフロアプランナー「Hydra」を初公開
第45回DACに出展していたMagma Design Automation社のブースレポート。
Magmaの今年の目玉は、2月に発表したアナログ?デジタル統合開発環境「Titan」とDAC直前に発表した新たなフロアプランナー「Hydra」。いずれも今回のDACをターゲットに急ピッチで開発が進められてきた製品で、正式リリースは未だ先の予定で現在は特定顧客のみの製品提供となっているが、ブースではデモを披露していた。
「Titan」は、デジタル・インプリメンテーション環境「Talus」と並ぶもう一つの柱として開発されたこれからの主力製品で、アナログ設計ニーズの高まりを受け、旧来ソリューションを打破するべく生み出されたもの。統合環境によるアナログ?デジタルのインタラクティブな設計を目指すその環境は、回路シミュレータ「FineSim」の成功によって実現したと言っても過言ではない。
MagmaのFAE斉藤氏および右高氏によると、「FineSim」がウケる理由は「その速さとフレキシブル性」という事で、特定のアプリケーションにフォーカスした高速SPICEと違い汎用性が高く、分散処理機能によって一般的な高速SPICEよりも更なる高速化を実現。ユーザーの使い勝手で言うと、通常SPICEモードと高速SPICEモードをスイッチ一つで切り替え可能なため、SPICEを使い分ける際の煩わしいオプションのフィッテング作業が一切不要。これだけでもユーザーの作業負担はかなり減るという。
もう一つの目玉「Hydra」は、一言で表現すると次世代階層フロアプランナー。より高い抽象度でフロアプランを行うことで品質の高い「美しいレイアウト」を実現するという製品で、RTLから階層プランニングを行いその結果を「Talus」へ。一部「Talus」とオーバーラップする処理もあるが、「Hydra」はクロックツリー・シンセシス/配線に至るまでの前作業を一括して処理する事が可能。当然「Talus」と密接に連携しているが、サードパーティ製レイアウトツールとも組み合わせて利用できる。
尚、発表によると、先行ユーザーである米ファブレスのOpen-Silicon社は既に「Hydra」を導入し顧客のデザインを実装。その結果、顧客のデザイン意図をより確実に掴み、予測可能なデザイン・ハンドオフを実現できたという。
ちなみに、Magmaの「Titan」は今回のDACで発表されたBest Of DACの?Best Overall New Product 、Trendsetter賞を受賞。ブース全体としては、?Most Interesting Veteran Exhibitor、Trendsetter賞も受賞した。
※Magma Design Automation社
http://www.magma-da.com
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2008.06.17
)