カーボンがARMのSoC Designerを買収しVP市場に本格参入

2008年7月7日、仮想検証向けのESLソリューションを手掛ける米Carbon Design Systems社は、英ARM社からARM搭載システムの仮想開発環境「SoC Designer」を買収したことを発表した。

プレスリリース:
http://www.carbondesignsystems.co.jp/newsevent/pressrelease07072008.html

カーボンによると、ARMのSoC Designer開発チームのキー・メンバーは、カーボンに移りSoC Designerツールの開発、サポート、販売を継続。カーボンは、カリフォルニア州アーヴァインに新しい開発オフィスを設立する。

今回の買収によってカーボンは、RTL資産から高速検証用Cモデルを生成するソリューションに加え、SoCの仮想開発環境も提供可能に。ARM IPのサイクル精度モデルの生成機能を武器に、ARMユーザーにサイクル精度のツールソリューションを売り込む。

尚、カーボンは、先月開催された第45回DACにて、Cモデルの生成環境「Carbon Model Studio」の新機能「モデル・クリエイション・ウィザード」を発表。ソフトウェア開発者(=仮想環境ユーザー)をターゲットとしている同機能は、RTLの知識が無くても高速検証用Cモデルが作れるというもの。今年度中には、作成したCモデルをセキュアな形で配布可能な仕組みとライセンス形態を提供する計画だという。

また「Carbon Model Studio」は、GUIやデバッグ機能、シミュレーションの観測性なども強化されているほか、VHDL資産からのCモデル生成もサポート。RTLの情報を元にCモデルで消費電力の解析・最適化を行うという、ユーザーのツール利用法からヒントを得た新製品の試作も進行していると聞いた。

※カーボン・デザイン・システムズ・ジャパン株式会社
http://www.carbondesignsystems.co.jp

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2008.07.10 )