CadenceがPCB・先端パッケージ設計向けAIエージェント「AuraStack AI Super Agent」を発表
2026年7月15日、Cadenceは、PCBおよび先端パッケージ設計向けのAIプラットフォーム「AuraStack AI Super Agent」を発表した。
発表によると「AuraStack AI Super Agent」は、ICパッケージング、PCB、およびマルチ・フィジックス解析を統合したAIベースの開発プラットフォーム「Allegro AI Studio」上で動作し、システム設計から実装、マルチフィジックス解析までをAIエージェントが自律的に連携して実行することが可能。Cadenceはこの「AuraStack AI Super Agent」を、PCB・先端パッケージ設計向けでは世界初のAgentic AIプラットフォームとしている。
「AuraStack AI Super Agent」特徴は、AIでPCB・先端パッケージ設計を自律的に支援する点にあり、Cadenceの説明によると、下記の一連の作業プロセスを一貫して支援することが可能。
・システム・プランニング
・ 制約マネジメント
・ レイアウト
・ 配線
・ IP再利用
・ DFM(Design for Manufacturability)
・ サインオフ
さらに、マルチフィジックス解析も統合しており、 電気特性(SI/PI)、熱、3D電磁界、応力、振動、疲労解析などを設計途中から並行して実施し、後工程での設計手戻りを削減できるという。また、同プラットフォームは、NVIDIA Blackwell GPUとCUDA-Xを活用し、大規模なAI推論や解析を高速実行することもできる。
Cadenceは「AuraStack AI Super Agent」により、 開発期間を最大2倍短縮、 設計者の生産性を最大15倍向上できるとしており、 具体的な適用効果として、マルチ・フィジックス最適化による製品品質の向上や 試作(リスピン)回数の削減などが期待できるとしている。
なおCadenceによると、NVIDIA、TSMC、Schneider Electricが早期ユーザーとして「AuraStack AI Super Agent」のワークフローを活用しているとのことで、NVIDIAとの共同検証では、マルチ・フィジックス解析性能が最大20倍向上したという。
Cadenceは今年発表した「ChipStack」「InnoStack」「ViraStack」に続き、今回の「AuraStack」を投入したことで、RTL設計からアナログ設計、パッケージ、PCBまでをカバーする「Silicon-to-System」のAgentic AI戦略を一段と強化した。EDA業界ではAIによる設計支援が一般化しつつあるが、今後はAIを「アシスタント」として使う時代から、複数のAIエージェントが設計フロー全体を自律的に遂行する時代への移行が本格化していく見通しで、Cadenceの今回の発表は、その方向性を象徴するものといえる。

日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2026.07.17
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