学習するアナログ・チップを手がけるインドVervesemiが1,000万ドルを調達

2026年2月18日、インドのファブレス半導体スタートアップVervesemi Microelectronicsは、Series Aラウンドで1,000万ドルを調達したと発表した。

プレスリリース

2017年に設立された同社はアナログICに特化した半導体スタートアップで、インド政府のDLI(Design Linked Incentive)制度で最初に承認された企業の1社であり、インドの国家プログラムChips to Startup(C2S)の支援も受けている。インドが国家戦略として半導体設計基盤の強化を進める中で、Vervesemiは国産アナログ/ミックスドシグナル技術の担い手として位置付けられている。

創業から約8年、当初のシード資金50万ドルからスタートした同社だが、その実績は際立っている。現在までに140件を超えるIPブロックと25種類のIC製品を開発。10件の特許と5件のトレードシークレットを保有するなど、スタートアップの枠を超えた技術資産を蓄積してきた。ターゲットとする市場も、宇宙、防衛、産業機器、モーター制御、スマートエネルギーなど、極めて高い信頼性が要求されるミッション・クリティカルな領域が中心だ。

Vervesemiの技術的な特徴は、通常のアナログ回路設計に加えて、機械学習を取り込んだ信号処理を打ち出している点で、教師なし学習を活用してリアルタイムの自己補正(self-healing)やフェイルセーフ機能を実現し、信号変換(アナログ・シグナルチェーン)の精度や信頼性を劇的に向上。厳しい環境下でも高精度を維持し、製造ばらつきや経年変化を補償する独自のアナログ半導体技術を確立している。

この技術はすでにシリコンで実証済みで、SamsungやUMCなどファウンドリとの協業により量産体制も確保しており、産業機器や電気自動車、防衛、宇宙産業など幅広い分野での応用が期待されている。

今回調達した資金は、アナログICポートフォリオの商用化の加速、製品供給体制の拡充、次世代の高精度アナログ・アーキテクチャのR&Dなどに充てられる計画で、インド国内の強固なバックアップを基盤に、同社の「学習するアナログ・チップ」が世界の半導体市場でどこまでシェアを広げられるか、今後の動向が注目される。

なお、Vervesemiの製品は、株式会社ネクストリームが販売代理店として日本国内に供給している。

VerveSemi Microelectronics
株式会社ネクストリーム

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2026.03.12 )