AMIQがより高度なAIベース設計を実現する業界初のソリューションを発表

2026年1月27日、RTL設計向けのIDEを手がけるルーマニアのEDAベンダAMIQ EDAは、新製品「Design and Verification Tools (DVT) MCP Server」のリリースを発表した。

プレスリリース

新製品「DVT MCP Server」は、プログラミングで利用されているGitHub Copilot、Claude CodeなどのAIエージェントをハード設計向けにより高度に活用するためのソリューションで、AMIQ社の旗艦製品である「DVT IDE」の追加機能として提供される。

世の中にあるAIエージェントは、一般的なソフトウェア言語によるプログラミングでは強い一方、Verilog, SystemVerilog, VHDL, などのHDLではハルシネーションを起こしやすいと言われている。その要因として挙げられるのが、圧倒的な学習データ不足とプロジェクト固有のコンテキスト(階層・定義・依存関係)の不足で、今回リリースされた新製品「DVT MCP Server」は後者の課題解決を試みるものだ。

具体的には、AMIQのDVT製品群がプロジェクトの設計/検証ファイルをコンパイルして内部DB化し、「DVT MCP Server」を通じて内部DBへのアクセスをAIエージェントに提供する。内部DBとAIエージェントの橋渡しは、「MCP(Model Context Protocol)」というAIエージェントを外部データ/アプリに繋ぐオープンソースの標準プロトコルを用いて行われる。これによりAIエージェントは、単なるLLMの一般知識ではなく、プロジェクト固有のコンテキスト(シンボル/階層/言語セマンティクスなど)に基づいて、コード生成、修正、デバッグ、誤り検出といった作業を実行できるようになる。

同ソリューションで内部DB化の対象としてサポートするのは、Verilog, SystemVerilog, VHDL, e, の各言語。AIエージェントはCursor, GitHub Copilot, Cline, Claude Code, Codexがサポートされている。

なお既存のDVT IDEユーザーは「DVT MCP Server」を追加費用なしで利用することが可能。AMIQは「DVT MCP Server」のリリースと合わせて以下の通り各製品をアップデートし、「DVT MCP Server」を用いたAI支援設計フロー/プロセスを包括的に強化している。

・DVT IDE AI Assistantに「エージェンティック・モード(Agentic Mode)」を追加
これにより、ユーザーは以下のタスクをAIと対話しながら効率的に実行できるようになる。
 -コードの生成と探索
 -バグの修正とデバッグ
 -ドキュメントの作成

・Verissimo SystemVerilog Linterの機能強化
リンティング(静的解析)で検出されたエラーについて、AIがその原因を説明し、自動修正(オートコレクト)を行う機能が強化された。

・Specador Documentation Generatorの機能強化
モジュールやエンティティ、各ポートや信号の詳細な説明コメントをAIが自動生成。また、SystemVerilogアサーション用の波形(WaveDrom形式)を生成する機能も追加。

RTL設計向けのAIエージェントは、現在EDAベンダ各社が最も力を入れている分野の一つだが、各社が独自LLMを提供する中で今回のAMIQのアプローチは汎用的なLLMを利用するという点で新しい。将来的にRTL設計に特化した高性能な汎用LLMが登場してくるようになると、EDAベンダに依存しないAMIQの提案するようなアプローチが主流となっていく可能性もある。

AMIQ EDA

株式会社ネクストリーム(AMIQ製品代理店)

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2026.02.05 NEW