創業数カ月で累計3億ドル超を調達したスイッチ・チップの半導体スタートアップ、Upscale AI
2026年1月21日、米国のファブレス半導体スタートアップUpscale AIは、シリーズAラウンドで2億ドルを調達したと発表した。
プレスリリース
Upscale AIはサンタクララに本社を置くファブレス半導体スタートアップで、2025年9月に設立された。同社はブロックチェーンおよびAIコンピューティング分野で急成長するインフラ企業、Auradine社の事業部門として立ち上がった経緯がある。(Upscale AIとAuradineは創業者が同じ)
創業者のRajiv Khemani氏とBarun Karはネットワーク・スイッチの専門家であり、Palo Alto Networks、Innovium、Caviumなどでの創業・経営を通じて豊富な実績を築いてきた人物。同社はスタートアップながら従業員数がすでに100名を超え、その大半はMarvell、Broadcom、Intel、Cisco、AWS、Microsoft、Google、Palo Alto Networks、Juniper Networksなど、大手インフラ企業出身のエンジニアだという。
Upscale AIによれば、創業時にシード資金として1億ドル超を調達しており、今回の2億ドルと合わせた累計調達額は3億ドルを超える。出資家には、QualcommやIntelなど半導体大手も名を連ねている。
同社が主戦場として狙うのは、2020年代後半に1,000億ドル規模へ拡大するとされるデータセンター・ネットワーク市場だ。自らを「pure-play AIネットワーキング・インフラ企業」と位置付け、AIのスケールにおける重大なボトルネックとなっているネットワークを再設計し、次世代のAIネットワーキングの構築を目指すとしている。
具体的なソリューションとして、独自開発のネットワーク・スイッチ・チップ「SkyHammer」をベースとしたネットワーク・システムを年内に出荷する計画。
製品の詳細は明らかにされていないが、「SkyHammer」はESUN、Ultra Accelerator Link(UAL)、Ultra Ethernet(UEC)、SONiC、Switch Abstraction Interface(SAI)など複数のオープン標準および相互接続プロトコルをサポートする、超低レイテンシ・高帯域幅のネットワーク・スイッチだという。これによりGPU/AIアクセラレータ、メモリ、ストレージ、ネットワークを統合し、ラック内を単一の同期したAIエンジンのように扱えるようになり、AIインフラの拡張性と効率性を大幅に向上できるということだ。
Upscale AIは、特定ベンダの専用技術に依存しがちなAIクラスタ構築に対し、オープンでスケーラブル、かつ導入障壁の低い代替案を提示するゲーム・チェンジャー的な存在。企業背景を踏まえても、今後のデータセンター・ネットワーク市場で主要プレイヤーとなる可能性は高い。製品出荷前にもかかわらず、ハイパースケーラーやAIインフラ事業者とのビジネスが進んでいるとみられ、今後の動向が注目される。

Upscale AI
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2026.02.02
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