AIインフラの拡張に向けて光インターコネクトのLightmatterがGUC、Cadence、Synopsysと提携
2026年1月26日、光コンピューティング技術を手がけるスタートアップの米Lightmatterは、同社の光インターコネクト製品の実装に向けてGUC、Cadence、Synopsysの3社との提携を発表した。
プレスリリース:GUCと提携
プレスリリース:Cadenceと提携
プレスリリース:Synopsysと提携
LightmatterはMITのスピンオフとして2017年に設立された、フォトニック・コンピューティング(光を用いた計算)に特化するスタートアップ。同社はここ数年で研究開発型の企業からAIインフラ領域の主要プレイヤーへと急成長し、2024年10月時点の企業価値は44億ドルとされる。Googleも巨額の投資を行っている。
Lightmatterのソリューションは、電気ではなく光を使って計算やデータ伝送を行うフォトニック技術を基盤としている。製品は大きく、光インターコネクトの「Passage™」と、光AIプロセッサの「Envise™」の2つに分かれる。
今回、GUC、Cadence、Synopsysとの提携が発表されたのは、光インターコネクト「Passage™」の実装に関する取り組みで、AIインフラのボトルネック解消に向けたソリューションとして期待されている。
「Passage™」は、多数のGPUやAIアクセラレータを接続するための“インターポーザーのような基盤”で、チップ裏面全体から光ファイバーのようにデータをやり取りできる点が特徴だ。従来の電気配線と比べ、帯域幅を数十〜100倍に拡大できるとされている。
Lightmatterは自社の光インターコネクト技術を「Passage™ 3D Co-Packaged Optics(CPO)」としてハイパースケーラー向けに展開。「Passage™ 3D Co-Packaged Optics(CPO)」を実チップに実装・パッケージする部分をGUCが担当する。CadenceとSynopsysは、この「Passage™ 3D Co-Packaged Optics(CPO)」のチップ実装に向けて高速SerDes IPとUCIe IPを提供するという。さらにSynopsysはIPに加え、システム設計ツール(3DIC Compiler、Lumerical製品スイート、OptoCompilerなど)もLightmatter/GUCに提供する見込みだ。
今回の提携は、Lightmatterの光インターコネクト・ソリューションの市場投入を後押しするもので、光インターコネクトが実用化フェーズに入りつつあることを示す動きでもある。また、TSMCの子会社であるGUCが提携したということは、TSMCで独自チップを製造するハイパースケーラーにとって、光インターコネクト導入の敷居が一気に下がる。NVIDIAの「NVLink」を上回るインターコネクト技術をハイパースケーラー各社が手に入れられるようになる訳だ。
昨今、データセンターにおけるシステムのスケールアップが電力とともに大きな課題になっているが、Lightmatterののソリューションにより、数千から数百万規模のプロセッサを接続するAIクラスターのスケールアップが現実味を帯びる。

Lightmatter
GUC
日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
日本シノプシス合同会社
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2026.01.29
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