SynopsysがCES 2026でアピールするSDV向けの開発ソリューション
2026年1月6日、Synopsysはラスベガスで開催されているCES 2026にて、SDV向けの開発ソリューションを展示した。
SynopsysがCESに出展し自社ブースを構えるのは今回が初。半導体業界の言わば裏方として活躍する同社がどのような展示をするか注目していたが、今回のCES 2026では、「ソフトウェア定義車両(SDV)」の開発に向けたソリューションを積極的にアピールしている。
Synopsysは、「Virtualizer™ Developer Kits (VDKs)」をはじめとする「仮想プラットフォーム技術」を核とした開発ソリューションを古くから提供しているが、クルマという物理的な「モノ」が、ソフトウェアという「プラットフォーム」へと非物質化していく巨大な潮流の中で、いよいよ「仮想プラットフォーム技術」が必要不可欠なものとなってきている。システムがかつてないほど複雑化し、開発コストを増大させ、自動車開発の常識が大きく変わったためだ。
「仮想プラットフォーム技術」を用いた開発は、自動車に限らずあらゆるエレクトロニクス製品で進められており、Synopsys以外にもCadence、Siemens、ASTCなどEDA各社がソリューションを提供しているが、自動車業界に向けたアプローチに関してはSynopsysが先駆者と言える存在で、VaST Technology, CoWare, Imperasなど複数のツールベンダを買収し、長い時間をかけて車載システム向けの開発ソリューションを固めていった経緯がある。
更に昨年完了したAnsysの買収により、Synopsysはセンサー・シミュレーションのためのツール環境「Ansys AVxcelerate Sensors」も手に入れ、より包括的に車載システム開発に対応できるようになり、チャンスとばかりに自動車向けの開発ソリューションの拡充に力を注いでいる。
今回のCES 2026出展にあたってはSamsungと協業し、Samsungの車載イメージセンサー「ISOCELL Auto 1H1」を「AVxcelerate Sensors」に統合したほか、Armの車載SoC開発用IPサブシステム「Arm® Zena™ Compute Subsystems」向けのVirtualizer Development Kit(VDK)を発表。さらにSiMa.aiとの協業による車載MLアクセラレータ開発向けソリューション、モータースポーツの国際自動車連盟(FIA)の支援(シングル・シーターの安全基準の強化に協力)なども発表している。
Synopsysによると同社の車載システム開発ソリューションにより、自動車の市場投入までの期間を最大1年も短縮し、数億ドルの開発コストを20~60%削減できるとのこと。また、自動車部品メーカー上位100社の90%が、何らかの形でSynopsys/Ansysの開発ソリューションを導入しているようだ。プレスリリースにはSynopsysのソリューションを支持するアウディ社CTOのコメントも寄せられている。
今回の発表は、自動車関連の様々なネタをCES 2026に向けてまとめてぶつけてきた感もあるが、スマホの次の大きなアプリケーション「AI搭載SDV」の開発に向けて、Synopsysが一気にギアを上げていこうとする感じが伝わってくる。
日本シノプシス合同会社
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2026.01.07
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