ソシオネクストがSynopsysのソリューションで3Dチップを高速テープアウト

2025年12月4日、Synopsysのブログ記事:

3D Chips: Socionext Achieves Two Successful Tape-Outs in Just Seven Months

Synopsysによるとソシオネクストは、キックオフからわずか7ヶ月でAI/HPC向け最先端3DICチップの2つのテープアウトに成功。同チップは、TSMCの3Dシリコン積層技術「TSMC-SoIC」テクノロジーをベースとしており、2つの異種ダイ(演算処理ダイはTSMC N3、I/OダイはTSMC N5)をフェイス・ツー・フェイス構成で積層しているという。

この高速テープアウトを実現するためにソシオネクストがフル活用したのが、SynopsysのIP、EDAツール群、そしてクラウド環境。

3D対応IPとして使用したのは、3DIO, PCIe 6.0, DDR5, Test, SLM Process, Voltage, and Temperature (PVT) monitorなど。EDAツールは、Fusion Compiler, 3DIC Compiler, Ansys Redhawk-SC, TestMAX DFTなどを利用した。

特筆すべきはクラウド環境の活用で、ソシオネクストはSynopsysのSaaS環境「Cloud FlexEDA」 を用いて2,000基のオンデマンド・コンピューティング・コアと数テラバイトのストレージを使って設計を遂行。クラウドベースの大規模開発リソースを利用することで設計期間の大幅な短縮を実現したという。

先端プロセスをターゲットとした完全新規の大規模3D SoCであれば、少なくともテープアウトまで2年程度の設計期間を要するのが一般的であり、7ヶ月で設計完了というのは異例の速さと言える。IPの活用も大きな要因の一つと考えられるが、詳細については今後のソシオネクストの講演などに期待したい。

株式会社ソシオネクスト
日本シノプシス合同会社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2025.12.09 NEW