世界半導体市場、2025年10月の売上高は前年比27.2%増の727.1億ドルで6ヶ月連続記録更新

2025年12月4日、米SIA(Semiconductor Industry Association)は、2025年10月の世界半導体売上(3ヶ月移動平均)を発表した。

プレスリリース

SIAの報告によると2025年10月の世界半導体売上は、前年同月比約27.2%増、前月比約4.7%増の721億1,000万ドルだった。同実績は単月売上高としては過去最高で初めて700億ドルを超えた。

売上額が前年実績を上回るのは2023年11月から24ヶ月連続で、前年比売上高は18ヶ月連続で17%以上増加している。世界半導体市場の単月売上高は2025年3月以降上昇に転じており、5月から6ヶ月連続で過去最高記録を更新している。

なお、WSTS(WORLD SEMICONDUCTOR TRADE STATISTICS:世界半導体市場統計)が12月1日に発表した2025年秋季半導体市場予測によると、2025年の世界半導体市場は前年比22.5%増の7,722億4,300万ドルに到達する見通し。予測は今年6月時点よりも大幅に上方修正された。※関連ニュース 

またWSTSはこの活況は更に勢いを増し、2026年は前年比26.8%増の約1兆ドルに市場が拡大すると予測としている。言うまでもなくその原動力はAI関連のニーズでデータセンター・インフラの継続的な需要を核に、ロジック製品とメモリ製品が前年比30%以上のプラス成長を達成すると見られている。

日本市場に関しては、残念ながら2025年はマイナス成長で前年比4.1%減の448億3,500万ドル。2026年はプラス成長に転じ前年比11.9%増の501億6,400万ドルと予測されている。

※画像はWSTS公開のレポートより引用

2025年10月の世界半導体市場を地域別に見ると、9月と同じく日本を除く全ての地域で売上額が前年実績を上回った。世界市場が好調の中、日本市場は6月以降5ヶ月連続で売上減少が続いている。

最も成長率が高かったのはアジアその他地域で、対前年比の伸び率が59.6%と異常な数字になっている。WSTS/SIAの地域別売上は最終ユーザーの所在ではなく、「チップの出荷先地域」ベースの統計となっているため、サーバODMなどが多いアジアその他地域の売上が急増していると思われる。

2025年10月の日本市場の売上を円ベースで換算すると前月とほぼ同額、前年比約9%減の約5,763億円。昨年と今年で為替レートの差は2円程度。日本市場はドルベースでの売上減少が続いているが、AI/データセンター需要が弱い上に自動車や産業向け半導体のニーズが弱まっていることが要因の一つと考えられる。

SIA

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2025.12.05 NEW