量子コンピューティングの社会実装を目指す「Quantum Scaling Alliance」にSynopsysが参画

2025年11月10日、HPEら7社が量子コンピューティングの社会実装を目指す「Quantum Scaling Alliance(QSA)」を設立した。

プレスリリース

「Quantum Scaling Alliance(QSA)」の創設メンバーと主な役割は以下の通り。アライアンスはHPE LabsのMasoud Mohseni博士とQolabの共同設立者兼CTOで2025年ノーベル賞受賞者のJohn Martinis氏が率いていくという。

1QBit: フォールトトレラントな量子誤り訂正の設計とシミュレーション、アルゴリズムのコンパイル、および自動リソース推定

Applied Materials, Inc.: 材料工学および半導体製造

HPE: 量子コンピューティングとHPCの統合、ソフトウェアを含むフルスタック構築

Qolab: 量子ビット、回路設計

Quantum Machines: スケーラブルな量子コンピューティングのための「Hybrid quantum-classical control」

Riverlane: 量子エラー訂正

Synopsys: シミュレーション、解析、 EDAツール、半導体IP

University of Wisconsin: アルゴリズム、ベンチマーク

「Quantum Scaling Alliance(QSA)」が掲げるのは、量子コンピューティングとHPCのフルスタック統合の推進で、量子コンピューティングをHPCや半導体製造の既存技術と横断的に接続することで一気にスケールさせることを目的にしている。

同分野の動きとしては、IBMとAMDがやはり量子コンピューティングとHPCの統合で協業を発表しており、先頃、NVIDIAが量子コンピューティングとGPUコンピューティングを接続する「NVQLink」を発表したばかり。

「Quantum Scaling Alliance(QSA)」の動きで注目すべきは、Applied MaterialsとSynopsysがアライアンスの創設メンバーとして参画している点で、両社の技術が加わることによって、量子コンピューティングのスケーリング=量子スーパーコンピュータの実現がPoCの域を超えて量産へと加速することに期待が高まる。

Quantum Scaling Alliance(QSA)

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2025.11.11 NEW