IntelがAIチップ・スタートアップのSambaNovaと買収交渉中
2025年10月31日、Bloombergは、IntelがAIチップ・スタートアップのSambaNova Systemsと買収交渉中であることを報じた
インテル、AIチップ新興サンバノバ買収で予備交渉-関係者
Bloombergの記事によると、SambaNovaは銀行を通じて自社の買い手候補を探しており、現在Intelが買収条件について初期段階の協議をしている。
仮に両社の取引が成立した場合、Sambanovaの評価額は2021年の資金調達ラウンドで付けた50億ドル(約7700億円)を下回る見通し。Bloombergはこの買収交渉が合意に至る保証はなく、別の買い手が現れる可能性もあるとしている。
Intelは経営不振からトップが元CadenceのCEO Lip-Bu Tan氏に代わり、現在経営再建に向けての事業見直しを進めているが、今回買収交渉しているSambaNova Systemsのエグゼクティブ・チェアマンも実はLip-Bu Tan氏。そして、Lip-Bu Tan氏が創設したベンチャー・キャピタルWalden InternationalとIntelは、創業時からSambaNova Systemsに出資している。
またSambaNova Systemsにはソフトバンク・ビジョンファンド2も出資しており、AIチップ・ビジネスの覇権を狙うソフトバンク孫正義氏を含め、両社を取り巻くステークホルダーの関係を考えるとこの買収はまとまる可能性が高そうだ。
SambaNova Systemsは、2017年に現CEOのRodrigo Liang氏とスタンフォード大のKunle Olukotun教授、同じくスタンフォード大のChristopher Ré准教授の3人が立ち上げたベンチャー。CEOのRodrigo Liang氏は元OracleでSPARCプロセッサを開発していたエンジニア、Kunle Olukotun教授は「マルチコアプロセッサの父」として知られている。
SambaNova Systemsが2023年に発表したAI半導体「SN40L」は、最大5兆パラメータのモデルを実行可能、NVIDIA製品よりも安く高速にAI学習および推論を実行できるとしているが、同社の強みはAI半導体としてのパフォーマンスだけではなく、チップと合わせてオープンソースのLLMをベースとしたトレーニング済みのモデルを顧客に提供できる点にある。顧客は自社データを用いて調整されたAIモデルを運用する環境一式をSambaNovaからワンストップで入手できる。
SambaNova Systemsのソリューションは米ロスアラモス国立研究所、ローレンス・リバモア国立研究所、Analog Devices、ソフトバンクなどが導入している。
SambaNova Systems
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2025.10.31
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